1 名前:バブルスライム 投稿日:2018/12/18 23:37:57_04 ID:NRzO.ESS
去年に書いてたんですけど、途中で更新する暇がなくて消えていったものを見つけたので供養しに…
一応、初めから載せたいと思います
過去は↓
bbs.rimorimo.com
2 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:39:12_53 ID:NRzO.ESS

ーday1ー

勇者「お前!くっ…俺としたことが…」

魔女「そんなに怖い顔しなくてもいいじゃない」

魔女「あなたのお仲間さんには何もしてないんだし」

勇者「早くこの鎖を外せ!どうなっても知らねぇぞ!」ガシャッ

魔女「4人でいて捕まってるくせに、どうなっても知らないって…」

勇者「うるさい!さっさと外せ!」

魔女「あは、可愛いわねぇ♡」

勇者「ちっ…」

魔女「そんなに怒らなくて大丈夫よ」

魔女「あなたもそのうち私の虜になるんだから♡」

勇者「うるせぇ152歳のババァが」

魔女「もう!この容姿のどこを見てそう思うのよ!」

勇者「20代前半の同じ姿で100年以上も生きてるから言われるんだろ」

魔女「だってぇ…若い方があなたも嬉しいでしょ?♡」

勇者「17の俺からしたらそれでもババァだな」

魔女「酷いこと言うのね…」
3 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:41:50_33 ID:NRzO.ESS

勇者「…とりあえず、だ」

勇者「さっさと解放しろ」

魔女「そんなの頼まれてするわけないじゃない」

魔女「あなたはこれから私の虜となって、下僕として生きていくのよ?」

魔女「可愛い顔してるから私も嬉しいわ♡」

勇者「誰がそんなことするか」

魔女「…なんだかさっきより勢いないねぇ」

魔女「どうしたの?体調悪い?」

勇者「ほっとけ」

魔女「ほっとけるわけないでしょ!」

魔女「せっかく家に招待したのに…」

勇者「鎖で拘束してるのを招待とか呼べるか」

勇者「何をするつもりなんだ?」

魔女「何って、特に決めてない」

勇者「じゃあ解放しろよ」

魔女「嫌よ。私はあなたのことをもっと知りたいの」

勇者「俺は興味ないけどな」

魔女「あら、私の話から脱出する手がかりがあるかもしれないのに?」

勇者「…」

魔女「冗談に決まってるでしょ。わざわざ言うわけないわよ」

勇者「てんめぇ…!」
4 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:42:27_64 ID:NRzO.ESS

魔女「あは♡でもあなたが私に忠誠を誓ってくれるなら…考えないでもないかな♡」

勇者「誰がそんなことするか」

魔女「気持ちは後からでもいいの」

魔女「とりあえず私にキスをしてくれればいいわ」

勇者「はぁ?そんな臭そうな口に誰がするかよ」

魔女「く、臭いって…」

魔女「さすがの私も今のは傷ついたわ…」

勇者「ん?傷ついたらなんなんだよ」

魔女「…おやすみなさい」ギィ…

勇者「あっ、ちょ待っ」

バタン

勇者「閉められた…」

勇者「…」

勇者「ちっ、今日はここで鎖に縛られながら寝ることになるのか」

勇者(にしても、捕虜の部屋にしては小綺麗な部屋だな)

勇者(鏡台もあればベッドもある)

勇者(窓もあるし外の様子もわかるな)

勇者(鎖さえなければそこらの安い宿屋より良い部屋かもしれん)

勇者「はぁ…目の前にベッドもあるのに寝れねぇなんてなぁ」

魔女「ベッドで寝たいならキスを…!」バタン

勇者「誰がするかよさっさと寝ろババァ!」

魔女「うぅ…」ギィ…バタン

勇者「…はぁ」

勇者(まぁそこまで悪い奴じゃなさそうだし、上手くやってさっさと逃げるか)
5 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:44:33_61 ID:NRzO.ESS


ーーー
-----

勇者「この森には魔女がいるらしいな」

魔法使い「魔女ですか…」

戦士「魔女かぁ…美人だったらウェルカムなんだがな!」

僧侶「はいはいバカは黙ってて」

魔法使い「本当にこの森を抜けなきゃダメですか…?」

勇者「ん?まぁ先に行くにはここが近道だろ」

戦士「魔法使いは不安になってきたか?」

魔法使い「いえ、なんとなく嫌な予感が…」

僧侶「魔法使いの予感は当たるからねぇ」

勇者「確かに…でもまぁなんとかなるだろ」

-----

魔法使い「勇者さん…この道また通ってませんか?」キョロキョロ

勇者「うん、そうだな」

僧侶「勇者〜?やっぱりこの森はやめといた方がよかったんじゃ?」

勇者「でもここまできて引き返すのも難しいだろ」

戦士「はっはっはっ、まぁどんな敵が来ても俺たちなら大丈夫だ!」

魔法使い「!」

魔法使い「みなさん!」

勇者「どうした?」

魔法使い「後ろを振り返って初めて気がついたのですが…」

僧侶「え?」クルッ

ざわざわ…ぐにゃ…

僧侶「これもしかして…」

???「やっと気がついたのね」

勇者「誰だ!」
6 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:46:32_75 ID:NRzO.ESS

魔女「この森に住む魔女でーす♡」

戦士「お、美人」

僧侶「うっさい黙ってて」

僧侶「全然進めないと思ったら、もうあんたの結界の中ってわけね」

魔女「正解!」

魔女「さすが勇者の仲間ね、そのことに気がつくなんて」

勇者「当たり前だ!俺たちの仲間を舐めるな!」

魔女「でも、気がつくのが少し遅かったわね」

もわもわ

戦士「なんだ?急に霧が濃くなって…」

魔法使い「この霧吸い込んじゃダメです!」

戦士「え…?zzz」

魔女「吸い込むなって言われてもなかなか難しいわよね」

勇者「ちっ」

魔法使い「火球魔法!」ボッ

魔女「っと、危ない危ない」サッ

僧侶「さすがに簡単には行かないな…」

魔女「私のフィールドでやってるんだから当然よ」

勇者「こんの!」ブンッ

魔女「っ!」

魔女「なかなか気配を消すのが上手ね」

勇者「ちっ」

魔女「油断も隙もないわ♡」

魔法使い「もうダメかもです…zzz」

僧侶「私も…zzz」

勇者「くっそ…」

魔女「あなたもなかなか惜しかったわね」

魔女「私の結界の中で不意をつけたことは褒めてあげるわ♡」

勇者「おま…」

魔女「でも残念でした♡私の勝ちね♡」

勇者「え…zzz」

魔女「さてと…この子はもらって行こうかしら」

-----
---
7 名前:バブルスライム 投稿日:2018/12/18 23:47:58_87 ID:wi0I5vYS
魔女「この森に住む魔女でーす♡」

戦士「お、美人」

僧侶「うっさい黙ってて」

僧侶「全然進めないと思ったら、もうあんたの結界の中ってわけね」

魔女「正解!」

魔女「さすが勇者の仲間ね、そのことに気がつくなんて」

勇者「当たり前だ!俺たちの仲間を舐めるな!」

魔女「でも、気がつくのが少し遅かったわね」

もわもわ

戦士「なんだ?急に霧が濃くなって…」

魔法使い「この霧吸い込んじゃダメです!」

戦士「え…?zzz」

魔女「吸い込むなって言われてもなかなか難しいわよね」

勇者「ちっ」

魔法使い「火球魔法!」ボッ

魔女「っと、危ない危ない」サッ

僧侶「さすがに簡単には行かないな…」

魔女「私のフィールドでやってるんだから当然よ」

勇者「こんの!」ブンッ

魔女「っ!」

魔女「なかなか気配を消すのが上手ね」

勇者「ちっ」

魔女「油断も隙もないわ♡」

魔法使い「もうダメかもです…zzz」

僧侶「私も…zzz」

勇者「くっそ…」

魔女「あなたもなかなか惜しかったわね」

魔女「私の結界の中で不意をつけたことは褒めてあげるわ♡」

勇者「おま…」

魔女「でも残念でした♡私の勝ちね♡」

勇者「え…zzz」

魔女「さてと…この子はもらって行こうかしら」

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8 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:48:23_55 ID:NRzO.ESS

ーday2ー

チュンチュン

勇者「ん…」

勇者「ふぁ〜あ、よく寝…って、んん?」

魔女「あ、おはよう♡」

魔女「もうすぐご飯の用意が終わるからねダーリン♡」

勇者「まてまてまて、いつの間に食卓に運ばれたんだ俺は」

勇者「寝ているとはいえさすがに運ばれたら気づくぞ」

勇者「どうやったんだ?」

魔女「あら、そんなこと気になるの?」

勇者「…一応、俺にも冒険者としてのプライドがあってだな」

魔女「そんなプライドあるんだぁ」

勇者「ほっとけ」

魔女「どうやって運んだかといえば、もちろん魔法で…」

勇者「魔法で運んだからといって、俺がその気配に気づかないことないだろ」

魔女「ただの魔法なら気がついたかもしれないわね」

魔女「でもここは私の、魔女の家よ?」

魔女「私が普通じゃない魔法が使えても不思議じゃないわよね♡」

勇者「普通じゃない魔法…」

魔女「そ♡」

勇者「ちっ…理屈になってねぇ」

魔女「そう?でも理屈はあるのよ?」

勇者「どうせ俺たちを捕まえた時みたいな、意味のわからん魔法使ったんだろ」

魔女「そんなことないわ」

魔女「他の人はむちゃくちゃだと思うかもしれないけど、私の中ではしっかりと筋道が通った魔法なのよ」
9 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:49:31_33 ID:NRzO.ESS

魔女「よし!サンドウィッチの完成!」

勇者「よかったな」

魔女「さぁめしあがれ!」

勇者「…どうやって食べるんだよ」

魔女「そんなの決まってるわ」

勇者「?」

魔女「はい、あーん♡」

勇者「…」

勇者「…」ぷい

魔女「ほらぁあーーん♡」

勇者「…」ぷい

魔女「食べないと飢え死んじゃうよ?」

勇者「ちっ」

魔女「あーん♡」

勇者「あむ」

魔女「うふふ♡」

勇者「…」もぐもぐ

勇者「ん?!」

魔女「えっ」

勇者「んん!?」

魔女「え、え、なに?」

勇者「…うまい…」

魔女「なんだぁ毒でも入ってたのかと思った」

勇者(むしろ毒とか薬入れてないのかよ)もぐもぐ
10 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:50:10_12 ID:NRzO.ESS

魔女「で、このサンドウィッチの野菜なんだけどね!」

勇者「ん?」

魔女「私の畑で採れたのよ!」

勇者「へー農作業もしてるのか」

魔女「まぁ、魔法を使って色々してるんだけどね♡」

勇者「ふーん」

魔女「美味しいって言ってくれて嬉しいわ♡」にこにこ

勇者「そりゃよかったな」もぐもぐ

魔女「うんうん♡」じー

勇者「…何見てんだよ」

魔女「人とご飯を食べるなんて久しぶりなの」

魔女「しかもその人が美味しいって言って私の料理を食べてるのよ?」

魔女「嬉しくて見るに決まってるじゃない♡」にこにこ

勇者「そういうもんかね」

魔女「そういうもんなの!あなたも大人になればわかるわ」

勇者「152歳に?」

魔女「それは関係ないでしょ!」

-----
11 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:50:48_97 ID:NRzO.ESS

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勇者「ごちそうさまでした」

魔女「お粗末様でした」

勇者(普通に全部食べてしまった)

魔女「さてと…」

勇者「ん?」

魔女「なにしよっか?」

勇者「知るかよ」

魔女「冷たいのね」

魔女「これから2人で生活していくんだから、少しくらい協力してよね」

勇者「はぁ?何勝手なこと言ってんだよ」

勇者「お前が勝手に連れて来たんだろ」

魔女「うふ♡そうだけど♡」

勇者「はぁ…気持ち悪りぃ」

魔女「私も人も生活するのが久しぶりで嬉しいのよ♡」

勇者(拉致だけどな)
12 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:51:17_67 ID:NRzO.ESS

勇者「ん?ていうかこれまでにも人は連れて来てるんだろ?」

魔女「そうだけど」

勇者「じゃあ別に人と暮らすのは久々でもないんじゃないか?」

魔女「んー…なんていうか」

魔女「私が連れ去ったのにみんな喜んでて従順でつまんなかったのよね」

魔女「人というよりただの犬って感じだったのよ」

勇者「そ、そうか…」

魔女「せっかく人と暮らせると思ったらただの犬だった時の気持ちわかる?」

勇者「いやわからん」

魔女「最初はまぁ楽しいわよ?」

魔女「でも途中で飽きちゃうの」

勇者「わがままなやつだな」

魔女「飽きたらちゃんと街に返してるわ」

勇者「…魔女から帰って来たやつはもれなく廃人になってるんだが」

魔女「別に私は何もしてな…」

魔女「いやナニかはしたかもね♡」

勇者「は?」

魔女「私との生活が刺激すぎだったのかしら♡」

勇者「…」

魔女「あ、おこちゃまにはまだわからないわね♡」

勇者「いや、てっきり魂でも吸い取られてるものだと」

魔女「失礼ね、死神か何かと同じにしないで」

勇者「…そんな大人になりたくないなぁ」

魔女「ほんとね」
13 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:51:57_13 ID:NRzO.ESS

-----

魔女「じゃあ私はちょっと出かけてくるから留守番お願いね」

勇者「へいへーい」

魔女「下手に脱出しようと試みないことね」

勇者「鎖で縛っててよく言うぜ」

魔女「じゃあ外してあげましょうか?」

勇者「は?」

魔女「その鎖はね、あなたに暴れられたら面倒だから付けてるの」

魔女「別に逃げないようにじゃないわ」

勇者「…ちょっとよくわからんが、鎖を外してくれるのか?」

魔女「なによ急に丸くなっちゃって」

魔女「いいわよ。ほら」パチンッ

ジャラジャラジャラ…ゴトン…

勇者「おぉ!これで晴れて自由だ!」

魔女「でもこの家からは結界があって出られないからね」

勇者「お前をぶっ飛ばせば問題ないだろ!」

魔女「…はぁ」パチンッ

ジャラジャラジャラジャラ…ギシッ

勇者「くっ…」ガシャガシャ

魔女「まだしばらくは鎖と仲良くしましょうねー」

勇者「…」

魔女「じゃあ行ってくるから、大人しくしててね」

勇者「ちっ…」
14 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:52:44_17 ID:NRzO.ESS


---
-----

魔法使い「魔法をですか?」

勇者「あぁ、俺にも魔法を教えてくれ」

魔法使い「構いませんが、勇者さんは勉強とか得意ですか?」

勇者「う〜ん…まぁ頑張る」

魔法使い「あ…じゃあとりあえず、魔法の基礎から説明しますね?」

勇者「あぁ」

魔法使い「魔法というのは、人間や動物、草木や石、砂、水など様々なものに宿る『魔力』が根元となってます」

勇者「ふむ」

魔法使い「ですがもちろん、私や僧侶さんが使える魔力は、基本的には自分の体に宿るものだけです」

勇者「どうしてなんだ?」

魔法使い「簡単に言いますと、人や物それぞれ個別に合う合わないがあるといいますか…」

魔法使い「意図して変えようとしない限り、魔力は本人のものしか体に合わないんですよ」

勇者「へー。だから魔力がなくなるとかあるのか」

勇者「あれ?でもこの前、僧侶が魔法使いに魔力を渡すとか言ってなかったっけ?」

魔法使い「人から人へ移す時は、移す側と受け入れる側がうまく調整すると簡単にできるんですよ」

魔法使い「ですが草木となると、魔法陣などでこちらから一方的に変換してあげれば使うことはできると思いますが、そう簡単なものではないですね」

勇者「でもやろうと思えばできるのか?」

魔法使い「まぁ、高度な技術と知識があればですね」

勇者「そうなのか」

魔法使い「木の一本一本に対しても、魔力の質は少しずつ違うんですよ」

魔法使い「それぞれを100%の効率で変換する魔法陣を描くとなると、対象の魔力を見極めるための力、魔法陣を描くための深い知識や根気など様々なものが必要となります」

勇者「へー」
15 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:53:57_55 ID:NRzO.ESS

魔法使い「って、話がかなりそれちゃってますよ!」

勇者「あ、わりぃわりぃ」

魔法使い「とにかく、勇者さんは勇者さんの魔力しか使えないって思っててください」

勇者「はーい」

魔法使い「それで、その魔力をエネルギーとして魔法が使えます」

魔法使い「まずは火球魔法について説明しますね?」

勇者「おう!それを待ってた!」

魔法使い「あはは…」

魔法使い「どんな魔法にも、魔法式があるのはご存知ですか?」

勇者「…なにそれ」

魔法使い「魔法式というのはですね、読んで字の通り魔法の式です」

勇者「お、おう」

魔法使い「火球魔法を例にしますと、魔力という『エネルギー』から『小さな火の玉』へと変化させる道筋という感じです」

勇者「な、なるほど…」

魔法使い「基本的に魔法を使うにはその魔法式を知っていなければなりません」

勇者「えぇ!暗記するのか!」

魔法使い「まぁそうですね。そのうち魔法を使うときに勝手に思考が働きますけど」
16 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/18 23:54:27_26 ID:NRzO.ESS

魔法使い「ちなみになんですが、同じ火球魔法でも上位のものと下位のものがあります」

勇者「それは知ってるぞ!」

勇者「小さいメラメラ〜と燃える奴と、でっかいメラゾ〜マァ〜て燃える奴だよな」

魔法使い「はい、想像している通りです」

魔法使い「では私が最上位のすっごい魔法式を覚えたから使えるのかというと、そうでもないのです」

勇者「なぜだ?」

魔法使い「簡単にいうと私がまだまだ未熟だからなんですよね」

勇者「魔法使いでもまだ未熟なのか…」

魔法使い「まぁそういうわけなので、勇者さんはまずは簡単な火球魔法を覚えてください」

勇者「はーい」

魔法使い「あ、そういえば、自分の魔力を感じることはできますか?」

勇者「ま、魔力を…感じる…?」

魔法使い「ふむ…スタート地点にすら立ててなかったですね」

勇者「で、どうやったら魔力を感じれるんだ?」

魔法使い「自分の内から湧き出るエネルギーを感じてください」

勇者「???」

魔法使い「…勇者さん魔法使いには向いていませんね」

勇者「おい!諦めるなよ!」

魔法使い「まずは瞑想をしていきましょう」

勇者「はーい」

-----
---
17 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/19 00:22:05_45 ID:t4NvOa8S

勇者「…ふがっ」

勇者「…」

勇者(動けないからいつの間にか寝てた)

勇者「動けないと退屈だなぁ」

勇者「…とりあえず何とか鎖は外してもらって、おとなしく脱出方法探すかー」

勇者「…言いなりになるわけじゃないからな」

勇者「って、ダイニングに放置か」キョロキョロ

勇者「俺がご飯を食べた綺麗な木の机と椅子」

勇者「椅子が4脚もあるけど使わねぇだろ」

勇者「で、奥には台所か」

勇者「…一般的な家庭の物と変わらないな」

勇者「ん?扉が2つあるってことは、少なくとも俺がいた部屋以外にも部屋があるってことだな!」

勇者「…当然だよな」

勇者「ダイニングと拘束部屋しかない家なんてあるわけない」

勇者「はぁ…ここから見える範囲じゃ手がかりがないなぁ」

勇者「…そういえば俺の仲間はどうなったんだ?」

勇者「あいつは何もしてないとは言っていたが」

勇者「…なんとか仲間に助けを求める方法を考えなければな」
18 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/19 00:22:45_57 ID:t4NvOa8S

魔女「ただいまぁ!」

勇者「おーおかえり」

勇者(うまく鎖を外してもらうぞ…)

勇者「なぁ頼みがあるんだが」

魔女「ちょっと後にしてちょうだい」パチンッ

ジャラジャラジャラ

勇者「!?」

勇者「おい鎖外してるけど…!」

魔女「そこの机端っこに寄せてくれない?」

勇者「あ、あぁ」

勇者(なんか良くわからんが鎖を外すことができたな)ガタガタ

魔女「ありがと♡」

魔女「よし」

魔女「それでは勇者くん。ちょっと見ていたまえ」

勇者「おん?」

魔女「おいでー♡」

コツコツコツコツ

勇者(なんだあれは…)

木の人形「」コツコツ

勇者「木の人形が歩いてる」
19 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/19 00:23:52_40 ID:t4NvOa8S

魔女「ふっふーん」

魔女「この子はね、ピノキオっていって私のオリジナルのゴーレムよ」

ピノキオ「」すいっぺこっ

勇者「あ、どうも」ぺこっ

勇者「じゃなくて、ゴーレムって石のやつじゃないのか?」

魔女「あれもゴーレムっていうけど、まぁこれもゴーレムなのよ」

勇者「へ、へー」

魔女「とまぁ魔法が苦手そうな勇者くんのために…」

勇者「なんだなんだ」

魔女「論文発表を始めたいと思います」

勇者「論文発表??」

魔女「え〜まずこのピノキオゴーレムの開発目的ですが」

勇者「まてまて何が始まったんだよ」

魔女「何って、魔女学会で発表するからその予行演習に決まってるじゃない」

勇者(何が何だか分からなくなって来たぞ)

魔女「まぁおとなしく聞いてみて」

魔女「開発目的ですが…それはずばり!」

魔女「自己思考型ゴーレムを開発することで、より良い暮らしを提供できないか、というところにあります」

勇者「魔女が何言ってんだ」

魔女「え〜一般のゴーレムでは、私たちは細かく指示出しそれに従う人形にすぎませんでした」

魔女「しかし今回このピノキオは、大雑把な指示でもその解法を自分で見つけ出し実行してくれます」

魔女「それゆえ汎用性が高く…」

勇者(一体なんだ…)
20 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/19 00:24:59_86 ID:t4NvOa8S

-----

勇者(ねみぃ)ふぁ〜あ

魔女「例えば、花に水をあげることを例にしますと」

魔女「従来のゴーレムでは、『ジョウロに水を入れ、お花畑へ行き、花に水をあげて、帰ってくる』」

魔女「というステップごとの指示が必要でした」

勇者「そうなのか」

魔女「しかしピノキオは、『花に水をあげてきて』」

魔女「の一言で、上記の多数のステップを自分で思考し見つけ出し、実行してくれます」

勇者「へーそれはすごい」

-----

魔女「…となります」

魔女「今後の課題としては、ピノキオの性能の向上が挙げられます」

魔女「以上です、質問はございますか」

勇者「はい!」

魔女「どうぞ」

勇者「そもそもゴーレムが動作する原理とは何でしょうか?」

魔女「ゴーレムは魔法式が内部に刻まれており、それに魔力を供給することで活動できます」

ピノキオ「」こくこく

魔女「他にも色々要因はありますが、動く原理となると、魔法式にそう記されたから、といえば良いでしょうかね」

勇者「なるほどなるほど」

魔女「以上でよろしいでしょうか?」

魔女「他に質問は」

勇者「…」ちらっ

ピノキオ「」ふるふる

魔女「なければ終わります。ありがとうございました」

ピノキオ「」パチパチパチ

勇者「」パチパチパチ
21 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/19 00:25:37_81 ID:t4NvOa8S

魔女「ふふ、どうだった?♡」

勇者「全然わからんけどすごいのはわかった」

魔女「それならよし!」

魔女「これから仲良くしてあげてね♡」

ピノキオ「」ぺこっ

勇者「あぁ、よろしく」

魔女「ふふふ」にこにこ

勇者「…じゃなくて!俺はここを出たいんだ!」

魔女「やん、また暴れる気?」

勇者「いや、暴れる気はない」

魔女「それなら安心ね♡」

勇者「まったく…」

勇者「ところでさ、俺たちの仲間はどうしたんだ?」

魔女「そのまま森に放置してきたけどまずかったかしら?」

勇者「いや、あいつらならまぁ魔物にやられることはないだろう」

魔女「あ、お仲間さんの助けは期待しないほうがいいわよ」

勇者「どうしてだ?」

魔女「だって、私の結界が破れるとは思わないもの」

魔女「森の中に踏み込んで気づかなかったのに、その核となる私の家はもっと用心深く隠すに決まってるでしょ」

勇者「た、確かに…」

勇者(これはなかなか大変になりそうだ)
22 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/19 00:26:13_35 ID:t4NvOa8S

勇者「はぁ〜」すたすた

魔女「あ、そっちはダメ!」

勇者「ん?」すたすた

バチッ

勇者「っ!!」

魔女「ほら〜言わんこっちゃない」

勇者「ってぇな!何だよこれ!」

魔女「あなたが行けないように結界を張ってるのよ」

勇者「はぁ?なんでだよ」

魔女「レディーのお部屋に用はないわよね♡」

勇者「ちっ152はレディじゃねーだろ」

魔女「もう!またそんなこと言ってー」

魔女「まぁ、あなたが行ける場所は教えとくわね」

魔女「あっちの扉があなたの部屋で、ここがダイニング」

勇者「そうみたいだな」ガチャ

魔女「まぁこれだけかしら」

勇者「少ね!退屈で死ぬぞ!」

魔女「ふふ、そうならないためのピノキオじゃない♡」

勇者「はぁ…」

ピノキオ「」ぺこ

勇者「はいはい」なでなで

魔女「あら、もうそんなに仲良くなってるのね」

勇者「俺は疲れた!もう寝る!」

魔女「はーい♡おやすみダーリン♡」

勇者「あぁ」
23 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2018/12/19 00:29:09_81 ID:mf9su9XS
思ったよりちゃんとしたSSで草
24 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2018/12/19 01:04:58_90 ID:CHVYzoYS
ええやん
25 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:19:33_19 ID:I4e//QlS


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勇者「ま、魔法使い!」

魔法使い「どうかしましたか?」

僧侶「騒がしいねぇ」

勇者「お、俺…魔法が…」

勇者「魔法が使えた!」

魔法使い「え?」

僧侶「まじ?」

勇者「やってみるぞ…」

勇者「ふぅ…」ぐっ

勇者「…」ぐぐっ

勇者「火球魔法!」

ぼぅっメラメラ〜

僧侶「まじじゃん」

魔法使い「どうして?」

勇者「俺にもわからん!」

勇者「燃えろ〜!てイメージをした!」

勇者「魔法使いが魔法使うところを見て覚えた!」

勇者「あと、瞑想はちゃんとしてたぞ!」

魔法使い「ふむ…魔力の使い方を肌で感じて覚えたってことですかね…」

僧侶「待って、でも魔法式知らないのに魔法使うのは無茶でしょ」

魔法使い「一応、魔法式をその時に組み立てることができれば問題はないですよね」

僧侶「そうだけどさぁ」

勇者「俺そんなことしてるのか?」

魔法使い「恐らく、無意識で魔力を火球に変化させる魔法式を組み立てているんですよ」

勇者「俺ってすげー!」
26 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:20:06_83 ID:I4e//QlS

僧侶「まぁでも魔力も感じれないようじゃ、まだまだだけどね」

魔法使い「魔力切れも気になるところですね」

勇者「そんなに問題あるのか?」

僧侶「魔法使い、こいつに説明してあげな」

僧侶「勇者が使う魔法がどれだけ燃費悪いか」

魔法使い「そうですね…」

勇者「なになに?」

魔法使い「私や僧侶さんが使っている魔法の魔法式は、遥か昔から推敲され続けた結果作り上げられた、超最適化された魔法式なんですよ」

僧侶「そうそう。魔法式は長いほど魔力を使って、短いほど魔力の消費を抑えられるんだ」

魔法使い「なので、最適化されていない魔法式で魔法を使うと、必然的に魔力消費が一般より大きくなるので、すぐに魔力がなくなってしまいます」

勇者「そんなに変わるのか?」

魔法使い「変わりますよ!」

僧侶「そうだねぇ…魔法使いの火球魔法を3とするなら、勇者は13くらい使ってる」

勇者「そんな大差ないじゃないか」

魔法使い「考えてください!4倍以上も違うんですよ!」

魔法使い「手数に差がありすぎますよ!」

僧侶「それに魔法のレベルが上がれば、15に対して100とか使ってそうだよね」

勇者「100も…」

魔法使い「はい。魔法の難度があがれば魔法式も複雑になります」

僧侶「過去の賢人の知恵がない勇者は、めちゃくちゃな魔法式を組み立てるわけだよ」

僧侶「なにより、たかが下位の火球魔法なのに発動までに時間かかりすぎ」

勇者「く、くそぅ」

魔法使い「あはは…でも安心してください!」

魔法使い「魔法が使えたんですし、あとは魔法式を覚えるだけです!」

勇者「はぁ…覚えなければ…」

僧侶「魔法をマスターするのは先が長そうだね」

-----
---
27 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:22:14_27 ID:I4e//QlS

ーday3ー

チュンチュン

勇者「ん〜…ふぅ」

勇者「はぁーベッドで寝るのは気持ちいいな!」

勇者「今日も良い天気だし!」のび〜

勇者「…窓あるし出れねぇかな」ガチャ

勇者「…さすがに開かないか」ガタガタガタ

勇者「ま、晴れて鎖から解放されたから、調べれるところは全部調べるか」

コンコン

勇者「ん?」

ガチャ

ピノキオ「」ちらっ

勇者「おーおはよう」

ピノキオ「」くいくい

勇者「手ェ引っ張ってどうした」すたすた

魔女「あ、おはよーダーリン♡」

勇者「あぁ…おはよう…」

魔女「ちょっと!なんで私の時はテンション低いのよ!」

魔女「あ、ピノキオありがとうね♡」なでなで

ピノキオ「」すりすり

勇者「もしかして、ピノキオに俺を呼んで来いって言ったのか?」

魔女「そうよ?」

勇者「ピノキオは俺のことわかってるのか?」

魔女「ん〜あなたが勇者であることは判別はしてるわ」

勇者「?」

魔女「あなたという存在を知っているというより、勇者の形をした人をあなただと思ってる感じね」

勇者「???」

魔女「…難しい話だったわね」
28 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:24:12_14 ID:I4e//QlS

魔女「さぁ朝ごはん食べましょう!」

勇者「今日はサラダがメインか」

魔女「例によって私の畑で採れた野菜よ♡」

勇者「ほーん、いただきます」

魔女「召し上がれ♡」

勇者「…」むしゃむしゃ

魔女「どう?」じー

勇者「うまい」むしゃむしゃ

魔女「やったぁ♡」

魔女「もうあなたの胃袋は掴んだわね♡」

勇者「たかがサラダでどんだけ喜ぶんだよ」

魔女「丹精込めて作った野菜なのよ?♡」

勇者「はいはい」むしゃむしゃ

ピノキオ「」すと

勇者「ん、ピノキオも椅子に座ったけど食べるのか?」

魔女「食べないわよ。この子口ないし」

勇者「一応あるじゃねーか」

魔女「まぁ飾りよね、彫ってあるだけだもの」

勇者「ふーん」

勇者「食うか?」すっ

ピノキオ「」こく

勇者「え、食べれるのか?」

ピノキオ「」ふるふる

勇者「じゃあ食べれねぇじゃねーか」むしゃむしゃ

魔女「…?」
29 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:25:07_38 ID:I4e//QlS

勇者「ピノキオってなんでフラフラ歩いてること多いんだ?」

魔女「それはね、新しい知識を入れるためよ」

勇者「新しい知識?」

魔女「ゴーレムは記憶領域があるんだけどね」

勇者「ほう」

魔女「そこに自分で勝手に追加していくのよこの子は」

勇者「それってすごいのか?」

魔女「すごいも何も、こんなゴーレム初めてよ?」

勇者「…すごいんだな」

魔女「当然♡」

勇者「だてに、ひゃくご」

魔女「はいはいそれは言わない」

勇者「でもさ、ピノキオはどうやって魔力供給されてるんだ?」

魔女「ん〜まぁ言ってもいいか」

勇者「?」

魔女「私はこの森を縄張りとしてるんだけど、理由としていくつかあるのよ」

魔女「その1つに、この森全体を私の描いた魔法陣で覆われててね、この森から魔力をたくさんもらってるわけ」

勇者「すげーなそれは」

魔女「まぁ吸い尽くしたら自然に影響出ちゃうから、全体の1割とか2割とかだけどね」

魔女「で、その魔力の一部がピノキオにも入ってるのよ」

勇者「だからずっと動けるんだな」

ピノキオ「」こくこく

勇者「…てかよ、森全体から魔力もらってるて」

勇者「魔女の魔力って無尽蔵にあるってことか?」

魔女「まぁ、この森の中ではそうなるわね」

勇者「まじかよ…」

勇者(みんな…なんとかなるとか言って道決めてごめん…)
30 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:27:14_45 ID:I4e//QlS

-----

勇者「ふー食った食った」

魔女「こんだけ綺麗に食べてくれると気持ちいいわね♡」

勇者「魔女ってもっと料理は雑だったり魔法使ったりしてるもんだと思ってた」

魔女「ふふ、そういう人もいるけど、料理は女の嗜みよ♡」

勇者「はいはい」

魔女「ピノキオ、洗った食器直して」

ピノキオ「」こく

勇者「…」じー

ピノキオ「」すたすた

ピノキオ「」カチャカチャ

ピノキオ「」すたすた

ピノキオ「」カチャカチャ

勇者「えらいなぁ」

勇者「ちゃんと場所も把握してるし」

魔女「当たり前よ」

魔女「私が教えた部分もあるけど、ピノキオが自分で覚えたのもあるわ」

勇者「すげーな」

魔女「ふふふ、私の凄さはわかってきたかしら?♡」

勇者「…正直なめてたとこあった」

魔女「見直してくれたならよし♡」

勇者「よかったよかった」
31 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:29:54_43 ID:I4e//QlS

-----

勇者「なぁ、どうして魔女は魔女なんかしてるんだ?」

魔女「成り行きね」

勇者「なんだそれ」

魔女「別にもともと魔女になろうとなんて思ってないわよ」

勇者「そうなのか?」

魔女「ある魔法の研究をしてたら、こうなっちゃったわけ」

勇者「なんかざっくりとしてるな」

魔女「まぁそのついでに、ある人を待ってるのよ」

勇者「俺か?」

魔女「…よくわかったわね♡」にこにこ

勇者「冗談に決まってるだろ…」

魔女「えー会えて嬉しいと思ってるのにー」

勇者「俺は早く旅の続きに戻りたいがな」

魔女「私といて楽しくないの?」

勇者「楽しかろうが楽しくなかろうが、俺にはやることがあるんだよ」

魔女「…あなたって結構真面目なのね」

勇者「真面目で悪いか」

魔女「ううん♡素敵よ♡」
32 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:30:13_34 ID:I4e//QlS

勇者「そういう魔女も真面目じゃんか」

魔女「そうかしら?」

勇者「魔女のくせに変な魔法とか使ってこないし」

魔女「あなたね、魔女をなんだと思ってるのよ」

勇者「バンパイアとか…サキュパスとか…」

魔女「はぁ…こんなだから魔女が恐れられるのね」

勇者「どういうことだ?」

魔女「魔女って言ってもね、悪い人ばっかじゃないのよ?」

魔女「純粋に魔法を研究してる人もいるの」

勇者「へー」

魔女「例えばさ、変な病気にかかったから魔女に〜みたいな話聞いたことないかしら?」

勇者「言われてみれば…」

魔女「でしょー?なのにどうしてこんなに魔女のイメージ悪いのかしらね」

勇者「魔女が男を拉致するからだろ」

魔女「…てへっ♡」

勇者「てへじゃねーぞババァ」

魔女「ちょっとババアは酷いんじゃない?」

魔女「お姉さんでしょ♡」

勇者「152歳なんてお姉さん聞いたことないな」

魔女「ここにいるじゃない♡」

勇者「はいはい」

魔女「うふ♡」
33 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:31:28_98 ID:I4e//QlS

-----

勇者「…」

魔女「…」

勇者(難しそうな本を読んでるな…)

魔女「…」ぺら

勇者(暇だしテキトーに家を調べるか)

勇者「…」がさがさ

魔女「…」ぺら

勇者「…結構調味料揃えてるんだな」

魔女「…まぁね、美味しい料理には変えられないわよ」

勇者「ふーん…」がさがさ

魔女「…」

ピノキオ「」じー

勇者「…ん?どうした?」

ピノキオ「」ふるふる

勇者「…見張ってるのか?」

ピノキオ「」ふるふる

勇者「じゃあなんだろう…」

魔女「何があるのか気になるのよね?」

ピノキオ「」こくこく

勇者「なるほどね…ピノキオの身長じゃこの戸棚とか届かないしな」

ピノキオ「」こく
34 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:32:02_50 ID:I4e//QlS

勇者「じゃあ一緒に家探ししようなー」

魔女「…」ぺら

勇者「ってか家探ししていいのかよ」

魔女「まぁ、見られて困るものなんてないと思うし」

勇者「困るものは裏にはあるんだな」

魔女「…」

勇者「ピノキオ、魔女の部屋からなんか持ってこい」こそこそ

ピノキオ「」こく

魔女「…」ぺら

ピノキオ「…」すたすた

魔女「…ん?」

ピノキオ「」すたすた

魔女「ち、ちょっと待った!」

魔女「ピノキオ、変なことしなくていいから!」

ピノキオ「」こく

勇者「ちぇ」

魔女「もーそんなに何が見たいのよ」

勇者「…結界の」

魔女「そんなに見たいなら…直接見せてあげるのに♡」

魔女「ほら♡」スカートひらひら

勇者「はぁ?やめろって」

魔女「もう!♡ほんとは嬉しいくせに♡」

勇者「…」

魔女「なんで黙り込むのよ」

勇者「…なんでだっていいだろー」

ピノキオ「」がたがた

魔女「あ、刺激が強すぎたのかしら♡」

勇者「…」

ピノキオ「」

魔女「ちょっと2人ともそんな目で見ないで!」
35 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:34:17_66 ID:I4e//QlS

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勇者「魔女って世の中にたくさんいるのか?」

魔女「たくさんってほどでもないけど、まぁそれなりにいるんじゃないかしら?」

魔女「私の仲良い知り合いでも3人くらいはいるわよ」

勇者「…魔女のグループがあるんだな」

魔女「当然よ。情報交換は必要だもの」

勇者「ふーん」

魔女「あ、でも勘違いしないで欲しいのは…」

魔女「みんながみんな森に住んでるとは限らないわ」

勇者「そうなのか?」

魔女「まぁでも自然が豊かなところが多いけど」

魔女「森とか山とか…滝のそばとかにもいるわね」

勇者「やっぱり魔力のためか?」

魔女「そうよ?」

魔女「魔法陣を描いて、自然から力をもらって生活するの」

魔女「ある意味では究極のエコロジストね」

勇者「そうなのか」

魔女「で、その力を活用するわけなんだけど…」

勇者「そういえば、農作業もしてるって言ってたな」

魔女「えぇ」

魔女「湿度と気温の調整をしたりしてるわ」

勇者「…なんでもできるんだな」

魔女「尊敬してくれていいのよ?♡」

勇者「普通にすごいな」
36 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:35:20_21 ID:I4e//QlS

魔女「まぁなんでもできるわけじゃないんだけどねぇ…」

勇者「そりゃあ無理もあるだろうよ」

魔女「その無理なものにぶつかった時って、結構凹むのよ」

魔女「あれもこれもできるのに、どうしてこれはできないの!って」

魔女「しかもね?それが月日が流れてからできたりするのよ!」

勇者「時間が経って技術が上がったわけだな」

魔女「そう。その時は嬉しさと切なさがあるわ」

魔女「あの時にこれができればなぁ…って」

勇者「…魔女にもそういう経験があったのか?」

魔女「まぁね」

魔女「まぁ、今もできないんだけど」

勇者「なんなんだ?」

魔女「死者を生き返らせることよ」

勇者「…そりゃ無理だろ…」

魔女「あは、そうよね」
37 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:35:43_94 ID:I4e//QlS

勇者「生き返らせたい人でもいるのか?」

魔女「うーん、別にいないわ」

魔女「ただできないかって思ったの」

魔女「まぁバカバカしくて研究はすぐやめたわ」

勇者「それがいいだろ」

勇者「死者への冒涜だからな」

魔女「はぁ?なにそれ」

魔女「死後は救われる〜とかそういうやつ?」

勇者「それもないこともないが…」

勇者「死にゆく人は、きっと残された人に何かを託してると思うんだ」

勇者「残された人は、それを受け取って生きていくもんだと思う」

勇者「だからそこで生き返らせるなんて無粋じゃないか?」

魔女「…なんか薄っぺらーい」

魔女「じゃあ何?死にそう人はほっとくの?」

勇者「そうは言ってねーだろ」

勇者「ただ、人間死ぬ時は死ぬんだ」

勇者「だから死んだ後にまた生き返ってどうのこうのじゃなく」

勇者「死ぬ瞬間、その時間を大切にする方がいいんじゃないかって」

魔女「…あなたって何も考えてなさそうに見えて色々考えてるのね」

勇者「まぁ冒険してると生き死にには考えさせられるよな」

魔女「いい子ねー」

勇者「そりゃどうも」
38 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:37:23_96 ID:I4e//QlS

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勇者「夜だな」

魔女「そうね」

勇者「窓があるから時間感覚がわかっていいな」

魔女「そうでしょ?」

魔女「窓も何もなしの部屋だと、勇者が病んじゃうかなぁって思ったね♡」

勇者「それはお気遣いありがとうございますー」

勇者「本当は外を走り回りたいんだがな」

魔女「まぁ、外に出ても結界の中よ?」

勇者「…結界て便利すぎないか?」

魔女「私ほどになれば自由自在よ♡」

勇者「はぁ…ほんと面倒なのに捕まった」

魔女「ふふ♡頑張って逃げれたらいいわね」

勇者「逃す気ないくせによく言うぜ…」

魔女「だってぇ私も寂しいんだもん」

魔女「何万回独りの夜を過ごしたと思ってるの?」

勇者「そんなの知ったことかよ」

魔女「冷たいわねー」

勇者「なんせ俺は好き好んでいるわけじゃねぇしな」

魔女「まぁ、そのうち解放するわよ」

魔女「飽きた頃には♡」

勇者「はぁ…いつになったら解放されるのやら」
39 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/20 00:37:56_20 ID:I4e//QlS

勇者「その前に俺の仲間が助けに来るかもしれないぞ」

魔女「それはそれで大歓迎よ!」

魔女「その時はみんなでご飯食べましょ?♡」

魔女「勇者の昔話とか聞きたいわ♡」

勇者「はぁ?普通食べるわけないだろ」

勇者「俺を連れ去った悪党の出す料理なんてよ」

魔女「まぁ、それもそうよね」

魔女「…というか悪党って言われると心にくるものがあるわ」

勇者「でも俺たちからしたらそうだぞ?」

魔女「うーん…確かにそうね…」

魔女「イメージアップも考えなきゃ」

勇者「はいはい頑張ってください」

魔女「あ、一応言っとくけど私は勇者が好きよ♡」

勇者「気持ち悪いこと言うなぁ…」

魔女「あは♡じゃなかったらとっくに飽きてるわよ♡」

勇者「嫌われればよかった…」

勇者「もう寝る!」

魔女「はいはーい♡」

魔女「おやすみなさい♡ダーリン♡」

ピノキオ「」こくこく

勇者「ピノキオおやすみ〜」

勇者「あとそのダーリンってのやめろ」ガチャッバタンッ
40 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2018/12/20 18:51:54_56 ID:8LRGBqAS
見てるよ
41 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:27:40_96 ID:aifSVmgS


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僧侶「勇者って真面目だよね」

魔法使い「そうですね」

勇者「そんなにか?」

戦士「小さい頃から俺が騎士道ってやつを教えてやったからな」

僧侶「え、あんたにそんなものがあったの?」

戦士「当たり前だろ!騎士たるものいつ何時も…」

僧侶「その話長くなりそうね」

魔法使い「でもそうやって何か信念を持ってるのは素晴らしいですよ」

勇者「そうだな」

勇者「まぁ人から説かれたものでも、自分で見つけるものでもなんでもいいが…」

勇者「自分を支える芯みたいなものがあると迷いが減るからな」

戦士「俺が教えた騎士道はどうなんだ?」

勇者「んー…まぁ大体は良いこと言ってると思うぞ」

僧侶「戦士がそんなに良い事言うんだ」

魔法使い「あはは…僧侶さんはっきり言いすぎですよ」

魔法使い「でも確かに意外ですね…」

戦士「俺だってな、小さい頃から国のために騎士をやってたんだ」

戦士「そりゃあ、何か1つでも信念があるさ」

僧侶「へー見直したな」

魔法使い「国の騎士隊の中での戦士さんってどんな感じだったんでしょうか?」

戦士「そりゃあもう周りからの人望も厚くてだな、みんな俺を頼ってくれてるぞ」

勇者「まぁ確かに人望はあったし実力もあるけど、軍を率いるには頭が弱いよなって話はよく聞いたな」

戦士「…まじで?」

勇者「軍隊を率いるより、小隊で行動する方が向いてるんだよきっと」

僧侶「あー少数精鋭ってやつ?」

戦士「精鋭か…」

魔法使い「確かにその方が戦士さんには向いてそうですよね」

戦士「ふっふっふっ、その時はお前らも俺の小隊に入れてやってもいいぞ」

勇者「…ちなみに隊長は?」

戦士「もちろん俺だ」

3人「ないないないない」
42 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:28:11_31 ID:aifSVmgS

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魔法使い「そういえば、勇者さんは戦士さんの騎士道以外にも何か考えてそうですが…」

勇者「まぁな」

勇者「冒険してると色々気付かされることが多いからな」

戦士「その気持ちわかるぞー」

戦士「今まで自分が小さな世界でしか生きてなかったって思わされるやつだな」

僧侶「それでいえば、私もそうだけどねぇ」

僧侶「本はよく読んでたけど、実際に見るのと違うし」

魔法使い「そうですね…私も驚きばかりです」

勇者「その度に色々考え直すけど、やっぱり根本から捻じ曲げるのは難しいよなぁ」

僧侶「自分の中では当たり前だと思ってるもんだからねぇ」

魔法使い「でもそうやって頭を悩ませてることが、やっぱり勇者さんが勇者さんである理由ですよ」

戦士「勇者である以上、正しい判断ができるようになるべきだもんな」

勇者「あぁ、わかってるよ」

勇者「みんなの命を預かってる身としてもな」

僧侶「…別に勇者に預けたつもりはないんだけど」

魔法使い「私もです」

戦士「俺もだな」

勇者「え?そうなのか?」

戦士「だって自分の身は自分で守れるだろ俺らなら」

勇者「…確かに」

僧侶「独りでなんでも背負い込む必要ないんだよー」

魔法使い「勇者さんってほんと真面目ですからね」

魔法使い「昔みたいに頼ってくださいね?」

勇者「わーかってるよ、お前らも頼りにしてる」

戦士「おぉ…見事な結束だよ若人たちよ…」

僧侶「あんたそんなに離れてないじゃん」

勇者「でも俺とは6つも違うよな」

魔法使い「私とは7つも離れてますね」

僧侶「でも中身はみんなと変わんないわよ」

勇者「それな」

戦士「おう…」

勇者「まぁ、戦士ももちろん頼りにしてるよ」

戦士「あったりまえだ」

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43 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:28:37_62 ID:aifSVmgS

ーday4ー

勇者「よく寝たー」

勇者「…そういえば拉致されてるわりには、俺の荷物はちゃんと部屋に置いてあるよな」がさがさ

勇者「…っと、このリングのネックレスはちゃんと身に付けとかなきゃな」ぱちん

勇者「ふー…親の形見だし大切にしないと」

勇者「…」

勇者(この調子だといつ出れるかわかったもんじゃないよなぁ…)

ピノキオ「」こんこん

勇者「おう、おはよう」
44 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:29:48_46 ID:aifSVmgS

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魔女「おはよー♡ダーリン♡」

勇者「おはよう」

魔女「今日のご飯は玉子焼きよ!」

勇者「ほう、なかなか無難な朝ごはんだな」

魔女「うふ♡昨日、調味料の話があったからすこしこだわってみたわ♡」

勇者「なるほど…」

勇者「じゃあ、いただきます!」

魔女「はい召し上がれ♡」

勇者「あむ…」もぐもぐ

魔女「…」じー

勇者「あむあむ…」

魔女「…」じー

勇者「…めちゃくちゃうめぇな」

魔女「当然よ♡」にこにこ

勇者「魔女は甘めの玉子焼きが好きなんだな」

魔女「そうね、私のおばあちゃんから教えてもらった作り方なの」

勇者「…何百年前の話だよ」

魔女「そんな前なわけないでしょー 」
45 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:30:26_30 ID:aifSVmgS

勇者「…ん?」じー

魔女「そんなに見つめてなにかしら?♡」

勇者「なんか今日、化粧濃くないか?」

魔女「っ!」

魔女「ばれた…?」

勇者「なんとなくだがな」

魔女「疲れてたのか知らないけど、あんまり今日は可愛くなかったから」

魔女「化粧で誤魔化しました♡」

勇者「そうか」

魔女「でも細かいとこまで気がつくなんて、なかなかできるじゃない♡」

勇者「ここ数日、魔女しか見てないからな」

魔女「それ、私だけを見つめてるって…」

勇者「面倒くせぇこと言うなぁ」

魔女「冗談よ♡」
46 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:31:36_12 ID:aifSVmgS

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勇者「暇だなー」

魔女「それならピノキオとゲームでしてみたら?」

勇者「そんなことできるのか?」

魔女「できるわよーチェスでいいかしら?」

勇者「おう」

魔女「よいしょ」パチンッ

ボンッ

勇者「うぉっ!」

勇者「…チェス盤が急に現れた…」

魔女「これくらいで驚かないでよ」

勇者「物体が出現する魔法とかあんまり目の前で見ないからな」

魔女「冒険してる中で使う人はいないでしょうね…」

勇者「…便利なのになんで冒険中では使わないんだ?」

魔女「簡単に説明すると、出現させる物を保管しとかないといけないわけ」

魔女「それにあまり遠い距離になるとより魔力が必要となるのよね」

魔女「だから色んなところで出現させたい物を少ない魔力で出すには、近くまで運ぶ必要があるのよ」

魔女「わざわざ魔法で取り出すより身につけてる方が手っ取り早いじゃない?」

勇者「なるほど」
47 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:31:57_80 ID:aifSVmgS

魔女「しかもその保管庫にはちゃんと魔法陣を描かないといけないし…」

魔女「描いた魔法陣は常に魔力がある程度送られてないとダメなのよ」

勇者「どうしてなんだ?」

魔女「そうしないといつ私が呼び出したか、魔法陣側がわからないじゃない?」

勇者「そうなのか…?」

魔女「そういうもんなのよ」

勇者「魔法って便利に見えて便利じゃないんだな」

魔女「便利は便利よ?」

魔女「要は使い所ってことね」

勇者「なるほどなぁ」

ピノキオ「」

魔女「あ、そうだチェスをするんだったのよね」

勇者「そうだったな!」

勇者「待たせてごめんな」

ピノキオ「」ふるふる

魔女「いいこ♡」なでなで
48 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:32:41_03 ID:aifSVmgS

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勇者(思うことがある)

ピノキオ「」すたすた

魔女「さてと…」

勇者(…この生活に馴染みすぎじゃないか?)

魔女「私のこと好き?」

ピノキオ「」こく

魔女「ふむ」

勇者(俺は魔王討伐のために旅をしていたはずだ)

魔女「じゃあ勇者は?」

ピノキオ「」こく

魔女「ふむ」

勇者(早く倒さなきゃ世界が徐々に闇に包まれていくからな)

魔女「勇者の仲間の名前は知ってる?」

ピノキオ「」ふるふる

魔女「ふむ」

勇者(なのにこんなところで遊んでる暇なんてないぞ)

魔女「勇者は何か悩んでる?」

勇者「!」

ピノキオ「」こく

魔女「ふーん、悩んでるんだ」

勇者「…嘘はつけないな」

魔女「なになに?」
49 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:33:02_78 ID:aifSVmgS

勇者「魔女。はっきり言わせてもらうが」

勇者「俺はここを出たい」

魔女「えーなんでぇ」

勇者「俺は魔王を倒すために王から使命を授かった」

勇者「こんなところで遊んでる暇はないんだ」

魔女「…じゃあどうするっていうの?」

勇者「…できれば穏便に済ませたい」

魔女「あなたにやれるの?」

勇者「正直、魔女が悪い奴には見えない」

勇者「だから切りたくないんだ」

魔女「でも私はあなたを解放する気はないわよ♡」

勇者「そうか…」

魔女「ふふ♡やれるならやってもいいわよ♡」

魔女「ここじゃあなたに勝ち目はないと思うけど♡」

勇者(そうなんだよな…はったりじゃないから困る)

勇者「…」すたすた

ばたんっ

魔女「…引きこもっちゃった」

ピノキオ「」

魔女「まぁ拉致したんだし当然よね♡」

ピノキオ「」こくこく

魔女「ねぇピノキオ…ずーっと思ってたんだけど…」

ピノキオ「」
50 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:33:39_37 ID:aifSVmgS


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王様「勇者よ」

勇者「は!」

王様「そしてその仲間達」

魔法使い「はい!」

僧侶「はい」

王様「今日呼ばれた理由はわかっておるな?」

勇者「もちろんでございます」

王様「では、改めて言わせてもらおう」

王様「お前たちに魔王討伐を頼みたい」

王様「よいか?」

勇者「喜んで」

勇者「私の持てる力の全てを使い、魔王討伐を果たそうと思います」

王様「うむ、良い返事じゃ」

王様「従者はこの2人で良いのか?」

勇者「はい!私が心を許せ、力も人並み以上ありますゆえ」

勇者「きっと私の力となってくれるでしょう」

王様「そうか」

王様「魔法使いに僧侶よ」

魔法使い「はい」

僧侶「はい」

王様「これなら長く厳しい旅路となるであろう」

王様「その時はぜひ、勇者を支えてくれ」

僧侶「もちろんでございます」

王様「そして辛い時は、ぜひ勇者を頼ってやれ」

魔法使い「はい!」
51 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:34:03_68 ID:aifSVmgS

勇者「1つ王様にお頼み申したいことがございます…」

王様「なんだ?申してみろ」

勇者「戦士殿を連れて行ってはいけないでしょうか?」

勇者「戦士殿がいなくなることは、この国の戦力にも関わることはわかっております」

勇者「しかし戦士殿は私の剣の師匠」

勇者「彼ほどの実力者は未だ見たことがありません」

王様「ふむ…まぁ良いだろう」

勇者「ありがとうございます!」

王様「あいつはバカだからな、国に座って指揮を取るより、剣を振るっている方が合っている」

勇者「はは、確かに抜けているところはありますね」

王様「他の兵たちも、いなくなっても気にしないだろう」

王様「ふむ、これで勇者、魔法使い、僧侶、戦士の4人となったか」

勇者「はい」

王様「良いパーティだ」

勇者「ありがとうございます」

王様「お前たちであれば、必ずや魔王を討伐してくれると信じておる」

王様「頼んだぞ」

3人「はい!」

王様「…」くいっ

勇者「…魔法使いと僧侶は先に戻ってて」

勇者「戦士に俺たちと行くことが決まったと伝えてくれ」

僧侶「わかったよ」

僧侶「行くよ?」

魔法使い「は、はい!」

-----
---

52 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:34:43_56 ID:aifSVmgS

勇者「ふぅ…」

勇者(幸い、俺の武器はこの部屋にある)

勇者(幸いというか気にしてないんだろうが)

勇者(魔女を切らずに出るとなると、隙を見て出るか)

勇者「この結界を切り捨てるまでだな!」すっ

窓「HP100」

勇者「くらえ!」ブンッ

バチバチバチバチ

窓「HP100」

勇者「っ…」

勇者「全くきかねぇな」ブンッ

バチバチバチバチ

勇者「おら」ブンッ

バチバチバチバチ

勇者「こんのぉ!」ブンッ

バチバチバチバチ

勇者「んっ」どさっ

窓「HP100」

勇者「だーめだ。俺の体力が持たん」

勇者「困ったなぁ」

勇者(やっぱり魔女を切るしかないか…)

勇者(…はっきり言って勝ち目ないけど)
53 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:35:04_58 ID:aifSVmgS

勇者「いやいや!こんなところでくたばるようじゃ、魔王にも勝てない!」

勇者「魔女には悪いが、俺にもやることがあるからな」

勇者「…」

勇者(あいつら何してるんだろうなぁ)

勇者(俺のこと探してるのかな)

勇者(いや、きっと先に進んでるだろうな)

勇者(確かに俺がいないことは大変かもしれんが、魔王討伐には変えられんだろ)

勇者「俺より腕の立つ戦士」

勇者「俺より魔法が強い魔法使い」

勇者「全体をサポートできて、攻撃もできる僧侶」

勇者「みんな頼もしい」

勇者「俺がいなくても、きっと魔王は倒してくれるだろ」

勇者「…」

勇者「いやいや!俺はここを抜け出して、先に行ったみんなに追いつくんだから、4人で魔王を倒すんだよ!!」

勇者「あっぶねぇ、危うくここから脱出できない前提だった」

勇者「ふぅ…精神統一でもして気合入れとくか」

勇者「明日は魔女に剣を向ける予定だからな」

勇者「よし…」

勇者「…」
54 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:35:50_29 ID:aifSVmgS


---
-----

まほうつかい「ねーゆーしゃくん」

ゆうしゃ「なに?」

まほうつかい「みてこれ!」ぐっ

ぼぅっメラメラ〜

ゆうしゃ「おぉーすげー!」

まほうつかい「なんかね、まほう使えるようになりました」

ゆうしゃ「なんでー?」

ゆうしゃ「今までまったく何もできなかったじゃん!」

まほうつかい「まほうつかいになりたい!て思ってたらできた!」

ゆうしゃ「はぇ〜すっごい」

まほうつかい「そうりょちゃんにも見せてこよー!」

ゆうしゃ「おれも行く!」

-----

??「…しゃ!」

勇者「…ん」

---

??「おき…ゆうしゃ!」

勇者「んん…みん…」


55 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:36:59_93 ID:aifSVmgS

魔女「起きて!勇者!」

勇者「!」がばっ

魔女「やっと起きた」

魔女「あなたね、何やったのよ!」

魔女「…剣なんか抱えて」

勇者「何って…」

勇者(逃げ出す気なのバレたか…?)

魔女「あなたのバカみたいな魔力がうるさくて寝れないのよ!」

魔女「ピノキオも調子悪いし!」

ピノキオ「」かたかた

勇者「は?魔力?」

魔女「そう!魔力!」

勇者「なんのことだよ」

魔女「だから、そんなに魔力バリバリ出さないでってこと!」

勇者「出してるつもりないけど」

魔女「はぁ?」

魔女「…もしかして自分の魔力わかってないの?」

勇者「そうなんだよな…」
56 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/21 00:37:27_45 ID:aifSVmgS

魔女「勿体無いことするのね」

勇者「どういうことだよ」

魔女「あなたの魔力は珍しいのに」

魔女「それに魔力も大きいわ」

魔女「それを生かせてないなんて、宝の持ち腐れよ」

勇者「…そう言われてもなぁ」

魔女「あ、いいこと思いついたわ♡」

勇者「?」

魔女「ふふふ、明日になったら教えてあげる♡」

勇者「今教えろよ」

魔女「だってーあなた私のこと切るつもりでしょ?」

勇者「っ!」

魔女「私も色々考えたいしね」

魔女「明日は変なこと考えずに、私の話を聞いてね♡」

魔女「じゃあおやすみダーリン♡」

勇者「…」

勇者「なんなんだよまったく」
57 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:30:51_00 ID:dcwEKSKS


---
-----

僧侶「なんか用?」

ゆうしゃ「まほうつかいがすごいんだよ!」

まほうつかい「見ててね見ててね」ぐっ

ぼぅっメラメラ〜

僧侶「魔法じゃん!」

僧侶「魔法使いは前から勇者の冒険に付いて行きたいって言ってたもんね」

ゆうしゃ「そうなのか?」

まほうつかい「うん!たのしそうだし!」

僧侶「そのうち勇者も冒険に行くのかぁ」

ゆうしゃ「さみしい?」

僧侶「べっつに〜?」

僧侶「だってそもそも勇者は外の人だし」

ゆうしゃ「もう3年の仲じゃん!」

まほうつかい「そうですよ〜さみしいならさみしいと言ったほうがいいですよ」

僧侶「はいはい、まぁどうせ私もいっしょに行くつもりだからね」

ゆうしゃ「そうなの?」

僧侶「そりゃ、この村一番の僧侶になる予定だからね」

僧侶「いた方が心強いでしょ?」

ゆうしゃ「あったり前じゃん!」
58 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:31:26_97 ID:dcwEKSKS

戦士「お?お前ら集まって何してるんだー?」

ゆうしゃ「せんし!」

僧侶「魔法使い、見せてやれ」

まほうつかい「はい!」

ぼぅっメラメラ〜

戦士「!」

戦士「魔法じゃねーか!」

まほうつかい「えへへ〜」

戦士「自然と魔法が使える人は珍しいと聞いてたけどなぁ」

ゆうしゃ「しぜんとじゃないよ!」

ゆうしゃ「まほうつかいは、まほうつかいになりたい!て思ってたんだ!」

戦士「そうなのか!」

まほうつかい「うん」

戦士「そいつは頑張ったなぁ!」

僧侶「でも私が読んだ本でも色々書いてたなぁ」

ゆうしゃ「なんて?」

僧侶「生まれ持って魔法が使えない人は、修行を積まないといけないって」

戦士「魔法使いは、なにか訓練したのか?」

まほうつかい「何にもしてない!」

ゆうしゃ「じゃあさいのうじゃんか!」

まほうつかい「えへへ」

僧侶「まさか魔法使いに、魔法の才能があったなんてね…」

戦士「でも生まれ持った人は、物心ついた頃には自分の魔法に気づいてるもんだけどなぁ」

僧侶「…魔法使いが抜けてるのかな」

戦士「それはありそうだな。まだ6歳だし」

ゆうしゃ「すげー!すげー!てんさい!」

まほうつかい「ほめすぎー!」
59 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:31:52_88 ID:dcwEKSKS

僧侶「子供だねぇ」

戦士「お前はませすぎな」

僧侶「え?世の中の10歳ってこんなものじゃないの?」

戦士「う〜ん、城下町の10歳を見るともっと無邪気だぞ」

僧侶「…バカなだけじゃないの」

戦士「そうだな…」

僧侶「そういえば、あんたの方はどうなのよ?」

戦士「俺のことか?勇者のことか?」

僧侶「両方よ」

戦士「俺はまぁ上手くやってるよ」

戦士「勇者の方も、どんどん力をつけてきて将来が楽しみだ」

僧侶「それだけ?」

戦士「…今の所は問題ないな」

戦士「僧侶は?」

僧侶「私もなんか最近すごい成長してるわ」

僧侶「勇者が来てから3年経つけど、この間の成長率がすごいのよ」

僧侶「怖いくらい」

戦士「成長期もあるが、やっぱモチベーションもあるからか?」

僧侶「そうかもね」

戦士「この子大きくなったら冒険に出るんだし、私たちが守ってあげないと〜」

戦士「って張り切ってるもんな」

僧侶「うーるーさーいー」

戦士「過保護だなぁ全く」

戦士「男は1人でも強く生きていけるもんよ」

僧侶「あんたこの村に来た時の勇者知らないでしょ?」

戦士「話しか聞いてないな。あの時はいなくてすまなかった」

ゆうしゃ「せんし!きょうもくんれんしよう!」

戦士「よし任せろ」

まほうつかい「そうりょちゃん!まほうもっとおしえて!」

僧侶「いいよ、じゃあこっち来て」

-----
---
60 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:32:37_69 ID:dcwEKSKS

ーday5ー

チュンチュン

勇者「朝か…」

勇者「ここに来てもう5日か?」

勇者「あいつらを待たせすぎだなぁ」

コンコンッ

ピノキオ「」ガチャ

勇者(朝ごはんか)

勇者「おはようピノキオ」

勇者「先に行ってていいぞ、すぐ行く」

ピノキオ「」こく

勇者(…昨日はあぁ言っていたが、一応持って行くか)チャキッ

勇者(最悪、切って出る)ブンッ

勇者「おはよう」

魔女「おはよ♡ダーリン♡」

魔女「昨日はあまり寝れなかったの?」

勇者「まぁな、色々考え事してた」

魔女「そっかぁ」

勇者「そういう魔女こそ、いつもとなんか雰囲気違うぞ」

魔女「そ、そうかしら…」

魔女「私も昨日は夜更かししたせいかしらね」

勇者「何してたんだ?」

魔女「ふふっ♡ひーみーつ♡」

魔女「ところで、ここから出る方法見つかった?♡」

勇者「…お前を切る」
61 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:33:16_96 ID:dcwEKSKS

魔女「やっぱりそう言うと思ったわ」

魔女「だからね、私も考えたの」

魔女「あなたをここに引き止める理由♡」

勇者「うん?結界あるから意味ないだろ」

魔女「それとこれとは別なの!」

魔女「私があなたのためにしてあげたいだけ♡」

勇者「そ、そうか…」

勇者「で、なんだ?」

魔女「あなたに魔力の使い方を教えてあげるわ!」

勇者「つまり…魔法を教えてくれるのか?」

魔女「そういうことになるわね」

勇者「どうしてだ?」

魔女「んー、せっかく良い素材があるのに活かしきれてないのが見ててモヤモヤするの」

勇者「だから教えると」

魔女「それに、魔法を覚えたら今後にも役立つでしょ?」

勇者「ここから出す気ないくせに」

魔女「あは♡それとこれとは別よ♡」

魔女「で、どうかしら?」

勇者「…いいだろう」

勇者「正直、魔法は使いたいといつも思っていたんだよな」

勇者「早まるのはやめておこうか」ぽいっ

ガタン

魔女「…剣なんて持って物騒ねほんと」

勇者「ほら、魔女が持っとけよ」

魔女「どうしてかしら?」

勇者「俺が持ってるとまたお前を切ろうとするかもしれんぞ」

勇者「魔法を教えてもらう礼儀みたいなもんだ」

魔女「そんなのいいのにぃ♡」

魔女「良い子ねぇ♡」

勇者「うるせぇ」

魔女「よしよし♡」

勇者「やーめーろ」

魔女「じゃあ、朝ごはん食べてから特訓ね♡」

勇者「はいはーい」

魔法「今日はトーストよ♡」
62 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:34:59_70 ID:dcwEKSKS

-----

勇者「ふぅ、満腹満腹」

魔女「ほんっと、いい食べっぷりね」

勇者「よーし、さっそく魔法の特訓だな!」

魔女「すごいやる気ね」

勇者「当たり前だろー?」

勇者「魔女から魔法を教わるんだ」

勇者「楽しみに決まってるだろ」

魔女「なに、あなたってそんなにおだて上手だっけ」

勇者「で、何をすればいいんだ?」

魔女「そうね…まず魔法を使ってみて?」

勇者「おう」ぐっ

勇者「…ふんっ」

ぼぅっメラメラ〜

魔女「ふむふむ」

勇者「…どうだ?」

魔女「一言で言うと、めちゃくちゃよね」

勇者「めちゃくちゃ…」

魔女「私の魔法をむちゃくちゃなんてよく言えたわね」

勇者「いやぁ俺もよく魔法使いに言われてたからな」

魔女「今の魔法でも昔よりかはマシになったって感じかしら」

勇者「…あぁ」
63 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:36:35_66 ID:dcwEKSKS

魔女「はぁ…それで魔法が使えてたのは、元の魔力が高いからなんとかなってただけよ?」

勇者「それもよく言われる…」

魔女「じゃあ1つ上位の火球魔法は?」

勇者「できない」

魔女「まぁ、あなたの持つ変換能力と、使っている魔法式では間に合ってないのよね」

勇者「じゃあどうしたらいいんだ?」

魔女「魔法式を覚える」

勇者「それなんだが、普通の魔法式では魔法が使えないんだ」

魔女「やっぱりねぇ」

勇者「わかってたのか?」

魔女「えぇ、昨晩あなたの魔力が珍しいって言ったわよね?」

魔女「魔力の質が違えば魔法式も変わってくるわ」

勇者「そうなのか…」

魔女「ただ、よく使われる魔法式は万人が使える形になってるはずなの」

魔女「なのにそれが使えないとなると…」

勇者「どうすればいい?」

魔女「こんな事例は私もめったに見たことはないけど」

魔女「あなたに合った魔法式を構築するしかないのかしら」

魔女「もちろん私も手伝うけど、あなたの癖みたいなものだからあなた自身で見つけないといけないわよ?」

魔女「そのために、魔法式の構築の仕方を教えてあげるわ♡」

勇者「座学か…」
64 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:37:51_92 ID:dcwEKSKS

魔女「あとは、魔法以外の使い方ね」

勇者「そんなのあるのか?」

魔女「勇者にぴったりのがあるのよ♡」

勇者「なんだなんだ?」

魔女「魔法剣って知ってるかしら?」

勇者「…なんだそれ?」

魔女「魔力を込めた斬撃が使えるのよ」

勇者「よくわからんがすげーな!」

魔女「魔法と剣術に長けた人にしか使えない技なのよ♡」

勇者「で、それが俺に使えるのか?」

魔女「おそらくね」

魔女「と言っても、可能性でしかないけど」

勇者「ふむ、でもその可能性にかけるほどの物ではあるってことだな?」

魔女「…あなた、こういうのには勘が鋭いのね」

勇者「まぁな」

魔女「でもその通りよ!私が協力すれば身につけれると思ってるわ♡」

勇者「…いいのか?」

魔女「なにがよ」

勇者「拉致してきた俺にそこまでしても」

魔女「大丈夫よ♡」

魔女「私はそうしたいの♡」

勇者「…そうか。ありがとう」

魔女「なによ急に」

魔女「ほら、早くやるわよ」

魔女「そこに座って?まずは魔法式の勉強からよ♡」

勇者「あぁ!」
65 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:39:10_96 ID:dcwEKSKS

-----

魔女「…って、あなた全然集中力ないのね」

勇者「やっぱり座学は苦手だ!」

魔女「でもこれを理解すれば、魔法も簡単に使えるようになるわ」

勇者「へいへーい」

勇者「でも勉強は休憩しようぜ」

魔女「仕方ないわねぇ」

魔女「…」

魔女「ねぇ聞いていい?」

勇者「なんだ?」

魔女「勇者はどうして魔王を倒すの?」

勇者「そうだなぁ…」

勇者「やっぱりみんなを守りたいからかな」

魔女「みんなねぇ」

勇者「昔に魔物に家族が襲われてさ」

勇者「俺の家は村はずれの山にあって、ひっそりと暮らしてたんだ」

勇者「そのせいか周りの助けもなく、俺は隠れてただただ襲われてるのを眺めてるだけだったよ」

魔女「それは…つらいわね」

勇者「その時からだな、剣術を身につけたのは」

勇者「まぁまだ4歳とかそこらだったから、最初はお遊びみたいなもんだったけど」

魔女「でもそんなに早くから訓練してるの」

勇者「早く魔物に勝てるようになりたかったからな」

魔女「そうなのね…」

勇者「襲われた時に初めて魔物を見たから、結構ショックも大きかったし」

魔女「トラウマにはならなかったの?」

勇者「最初はむしろ、復讐心が強かったな」

魔女「今はそうじゃないの?」

勇者「ただ単に魔物を殺してやろうとは考えてないな」

勇者「たまたま初めて見た魔物が凶暴なだけで、実際おとなしい魔物もいる」

勇者「その辺り動物と変わらないだろ?」

魔女「…若いのに悟ってるわね」

勇者「ババくさいぞ」

魔女「うるさいわね」
66 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:39:48_12 ID:dcwEKSKS

勇者「でもまぁ、それまでよく魔物に合わなかったなぁと自分でも思うよ」

魔女「確かにこのご時世魔物なんて普通に生活してたらどこかで目にするわよね」

勇者「…152歳がいうと重みがあるな」

魔女「うるさいー」

勇者「でも昔も魔物が溢れてた時期があるんだろ?」

魔女「そうね、私があなたくらいの時よ」

魔女「懐かしいわねぇ」

勇者「さっきから急にババくさくなったぞ」

魔女「もー!昔を思い出したらそうなるに決まってるでしょ!」

魔女「でもその時も勇者が頑張ってたわねー」

勇者「どの時代も、魔王を倒す人はいるんだな」

魔女「結構手こずったらしいけどね」

勇者「そうなのか?」

魔女「聞いた話によると、魔王がやられる時に勇者に呪いをかけたとか」

勇者「どんな呪いなんだ?」

魔女「さぁ?それは私も知らないわ」

勇者「なんだよー気になるじゃねぇか」

魔女「今度調べといてあげる♡」

勇者「頼んだ」

魔女「さて、休憩はこれくらいにして続きする?」

勇者「そうだな!」

魔女「じゃあピノキオ、紅茶淹れてくれる?」

ピノキオ「」こく

勇者「そんなことまでできるのか」

魔女「そうなのよ」

魔女「はっきり言って、ここまでできるなんて予想外よ」

勇者「魔女でもわからないことはあるんだな」

魔女「原因はなんとなくわかるけど、手の施しようがないというかね…」

勇者「でも、優秀なのはいいことじゃん」

魔女「そうね…」
67 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:40:25_49 ID:dcwEKSKS

魔女「前に、あなたをわかってるのかどうかって話をしたでしょ?」

勇者「あぁ」

魔女「今のピノキオは本当にあなたを認識してるかもしれないわ」

勇者「へー」

魔女「…わかってないでしょ」

勇者「…すまん」

魔女「今のピノキオは、自分の感情があるかもしれないの」

勇者「たとえば?」

魔女「ピノキオは今楽しい?」

ピノキオ「」こく

勇者「ほう」

勇者「でも今までそうだったじゃないか?」

魔女「私はピノキオは私の命令に対して従うのと、学習して得ることしか組み込んでないのよ」

魔女「なのに感情を持っちゃったわけ」

勇者「俺からしたら全然違和感ないけどな」

魔女「もしかしたら、楽しいという状況を学習して、楽しいって答えてるだけかもしれないけど…」

魔女「そうだとしても、まず楽しいを理解しないといけないしね」

勇者「でも、いいことじゃないのか?」

魔女「作った側からしたらただの不具合よ」

勇者「冷たいこというんだな」

魔女「こればっかりは研究者のプライドよ」

勇者「そういうもんか…」

魔女「でも、感情がある以上大切にしてよね?」

勇者「当然だ」よしよし

ピノキオ「」すりすり

勇者「よし、始めようぜ」

魔女「うん」
68 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:41:03_35 ID:dcwEKSKS

-----

勇者「ふぁ〜あ」

魔女「お疲れ様♡」

魔女「なかなか頑張ったんじゃない?」

勇者「そうだなぁ知らないことしかなかった」

魔女「当たり前でしょ?」

魔女「学校では教えてくれないことしかしてないんだから」

勇者「そうなのか?」

魔女「えぇ、私が考えたあなたのための授業よ♡」

魔女「魔法式を覚えるより、その場で組み立てる方があなたに向いてると思って」

魔女「その時により最適化できる式が作れるようにね♡」

勇者「そうだったのか…」

魔女「それにね?」

勇者「うん?」

魔女「あなたは自覚してないかもしれないけど」

魔女「あなたには無限の可能性があるわ」

勇者「は?」

魔女「あなたは特別なのよ」

勇者「特別ね…」

魔女「…そのうちわかるわ♡」

勇者「ちっ、なんだよ」

魔女「きっと、王様もそれを知ってあなたに託したんだと思うわ」

勇者「魔王討伐をか?」

魔女「そう」

勇者「よくわからんな」
69 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:42:01_98 ID:dcwEKSKS

魔女「じゃあ昔を思い出してみて?」

魔女「あなたの周りで不思議なこととかなかった?」

勇者「う〜ん…あんまり覚えてないなぁ」

魔女「じゃあ最近は?」

勇者「そうだなぁ…」

勇者「無限回廊とか言ってた妖術師の館で迷わずに妖術師まで辿り着いたことかな」

魔女「地味だけどすごいわね」

勇者「そうなのか?」

魔女「魔法の幻を打ち破ったってことじゃない」

勇者「言われてみればそうだな」

魔女「やっぱりねぇ」

勇者「何がだ?」

魔女「こっちの話よ」

勇者「…なんか今日1日ずっと変だぞ?」

魔女「そうかしら?」

勇者「なんかいつもと雰囲気違うし」

魔女「気のせいよ」

勇者「…そうか」
70 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/22 00:42:41_68 ID:dcwEKSKS

魔女「さぁ、今日はもう寝ましょう♡」

勇者「そうだな」

魔女「じゃあおやすみね♡」

勇者「あぁおやすみ」

バタンッ

魔女「…」



魔女「ほんと勘が鋭いんだから」
71 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:22:13_26 ID:Av3S1UJS


---
-----

ゆうしゃ「ぱぱ!まま!」

勇者父「逃げろ!」

ゆうしゃ「でもままが!」

勇者母「はぁ…はぁ…」

勇者父「パパとママは大丈夫だ」

勇者父「お前は逃げろ」

ゆうしゃ「で、でも…」

勇者父「心配するな」

勇者父「父さんはこう見えても、先祖は勇者様だったんだぞ!」

ゆうしゃ「勇者って、あの魔王を倒したっていう…?」

勇者父「あぁそうだ」

ゆうしゃ「すごいね!」

勇者父「だからお前は安心して逃げろ」

ゆうしゃ「う、うん…」

勇者母「ま、まって…」

勇者母「このリングを持ってお行き」

ゆうしゃ「なぁに?これ」

勇者母「お守りよ」

勇者母「これをずっと持ってたら、きっと幸せになれるわ」

ゆうしゃ「じゃあままがもってて!」

ゆうしゃ「ままくるしそうだから、なおってほしい!」

勇者母「ふふ、優しい子ね」

勇者母「でも大丈夫よ…私はパパから貰ったのが…」

勇者母「ほら、ここにあるから」

ゆうしゃ「ほんとだ!じゃあお揃いだね!」

勇者父「よかったじゃないか勇者!」

ゆうしゃ「うん!」
72 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:22:41_23 ID:Av3S1UJS

ガタンッ!

ゆうしゃ「ひっ」

勇者父「ちっ、思ったより早いな」

勇者母「そうね…これじゃあ勇者を逃がすのが難しいかもしれないわ」

ゆうしゃ「?」

勇者父「ゆうしゃ、今から言うことをちゃんと聞くんだよ?」

ゆうしゃ「なぁに?」

勇者父「逃げるのは難しくなったから、ここに隠れてなさい」

勇者母「そのお守りを握って、目を瞑ってるのよ?わかった?」

ゆうしゃ「うん!わかった」

勇者父「絶対に目を開けちゃダメだぞ」

ゆうしゃ「はーい」

勇者父「…行けるか?」

勇者母「えぇ、回復はしたわ」

勇者父「じゃあちょっと行ってくるから、隠れてるんだぞ」

ゆうしゃ「はーい!いってらっしゃい!」

ゆうしゃ「…でも気になるなぁ」

ゆうしゃ「…」ちらっ

魔物「ぐおおおお」

ゆうしゃ「こんなにいっぱい…!」

勇者父「はぁ…はぁ…」

勇者母「」

魔物「ぐぉぉおおお」

ゆうしゃ「!? ぱぱ!まま!」だっ

勇者父「だめだ!こっちにくるな!」

魔物「ぐぉぉ」

ゆうしゃ「!?」

勇者父「危ない!」ザクッ

勇者父「うっ…」

ゆうしゃ「ぱぱ!ぱぱ!ねぇ!」

勇者父「逃げろ…」

魔物「ぐぁあ」

ゆうしゃ「え、あ、あ」

勇者父「」

ゆうしゃ「ぱぱ!まま!」

魔物「ぐおおおお」

-----
---
73 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:24:00_22 ID:Av3S1UJS

ーday6ー

チュンチュン

勇者「…昔話のせいか、嫌な夢を見たな」

勇者(そういえばあの後どうなったんだっけ)

勇者(気がついたら魔法使いと僧侶の村にいたっけな)

勇者(助けに来てくれたんだろうな)
74 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:24:24_54 ID:Av3S1UJS

-----

勇者「おはよう」

魔女「おはよう♡」

魔女「早いのね」

勇者「ん?」

勇者「マスクなんてしてどうした?」

勇者「心なしか喉も荒れてるようだし」

魔女「なんか風邪引いちゃったのよ」

勇者「魔女に無理させちゃったかな…」

魔女「そんなことないわ」

勇者「魔法でぱぱっと治らないのか?」

魔女「結局は自分の回復能力を高めるだけになるから、早く治りはするけど大して変わらないのよ」

勇者「へー」

勇者「そういえばピノキオは?」

魔女「ちょっとだけメンテナンス中」

勇者「そうなのか」

魔女「今日は遠出する予定だから、あなたと家のことはピノキオに任せたいからね」

勇者「え、じゃあ特訓は?」

魔女「大丈夫、そのことはちゃーんと考えてます」

勇者「ありがとう」

魔女「いいのよ♡」

魔女「さて、朝ごはんの出来上がり!」

勇者「今日も美味しそうだな」

魔女「当たり前でしょ?」

勇者「いただきます」

魔女「どうぞ召し上がれ♡」

勇者「…相変わらずうまい」

魔女「お口にあって何より♡」
75 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:25:02_84 ID:Av3S1UJS

-----

魔女「さてと…」

勇者「俺の特訓は?」

魔女「ほんと特訓には積極的ね」

勇者「いいだろー魔女が提案してきたんだから」

魔女「それもそうね♡」

魔女「実は勇者のためにね…」

魔女「こんな剣を用意したわ♡」すっ

勇者(剣の柄のところにごっつい宝石が埋め込まれてる…)

勇者「なんだこの悪趣味な剣」

魔女「あなたが自分の魔力を感じれるようになって欲しいから、私があなたのために作った鍛錬用の剣よ♡」

勇者「へぇ…作ったのか」

勇者「この剣でどうすればいいんだ?」

魔女「ねー、私からの初のプレゼントなんだからもっと喜んでよー」

勇者「確かに…作ってくれたことには本当に感謝する」

魔女「いいえ♡」

勇者「大切に使わせてもらうぜ」
76 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:25:48_93 ID:Av3S1UJS

勇者「でも、どうすればいいんだ?」

魔女「簡単よ。魔力を込めて素振りするの」

勇者「はぁ?そんなのできるわけないだろ」

勇者「魔法もよくわからずに使ってるのに」

魔女「大丈夫よ、やってみて?」

勇者「はいはい…」

勇者「むむむ…ふん!」

ブンッチカチカッ

勇者「なんだ?」

勇者「宝石が光ったぞ!」

魔女「今のは魔力が込められてた証拠よ♡」

勇者「そうなのか…」

魔女「…と言うより、この剣を振るうと魔力が奪われるの」

魔女「そして発光する」

勇者「それに意味があるのか?」

魔女「魔力を消費するって感覚を無理やり体に覚えさせるのよ」

魔女「そうしていくうちに、自身の中にある魔力がどれだけあるのか感じれるはずよ」

勇者「へー」

魔女「ちょっと貸して?」

魔女「この剣のいいところはね」

ブンッキラキラッ

勇者「まぶしい」

魔女「とまぁ、魔力を多く込めることができれば、その分光も強くなるの」

勇者「しかも心なしか斬撃の残像も残ってたな」
77 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:26:12_76 ID:Av3S1UJS

魔女「魔力をどれだけ込めたかで、より強く光るのよ」

勇者「…つまり、俺が意図して魔力を使えればもっと光るってことだな?」

魔女「察しがいいわね、その通りよ!」

勇者「なんだかテンション上がってきた!」

魔女「いいこいいこ♡」

魔女「じゃあ勇者、しばらく素振りね」

勇者「はいよ」

魔女「じゃああとはピノキオよろしくね」

ピノキオ「」こく

勇者「どこに行くんだ?」

魔女「ひみつ♡」

勇者「…風邪引いてるんだし気をつけろよ」

魔女「優しいのね♡ありがと♡」

勇者「あぁ」

魔女「じゃあしっかり剣を振って、渡した本を読むのよ♡」

勇者「はいはい」

魔女「これ持ったあれも持った…よし!」

勇者「いってらっしゃい」

魔女「いってきます♡」
78 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:26:32_36 ID:Av3S1UJS

-----

ブンッチカチカッ

ブンッチカチカッ

ブンッチカチカッ

勇者「ふぅ…疲れた」

勇者「休憩するかぁ」

ピノキオ「」ふるふる

勇者「ん?休憩するなってか?」

ピノキオ「」こく

勇者「なんで…」

勇者「魔女にそう言われたのかな」

勇者「続けるか」

ピノキオ「」こく

勇者「ふんっ!」

ブンッチカチカッ

ブンッチカチカッ
79 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:26:52_25 ID:Av3S1UJS

-----

勇者「はぁ…はぁ…」

ピノキオ「」すっ

勇者「水か、ありがとう」よしよし

ピノキオ「」すりすり

勇者「疲れたぁ」

ピノキオ「」ふるふる

勇者「ん?」

ピノキオ「」ぎゅっすっ

勇者「剣なんて握ってどうした…」

勇者「もしかしてまだ続けろってことか?」

ピノキオ「」こく

勇者「まじで?」

ピノキオ「」こく

勇者「…スパルタだな」

ピノキオ「」

勇者「はいはいやりますよ」ぎゅっ

ブンッチカチカッ

ブンッチカチカッ

ブンッチカチカッ
80 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:27:11_39 ID:Av3S1UJS

-----

勇者「もう無理しぬ…」

ピノキオ「」ふるふる

勇者「マジで言ってんの?」

ピノキオ「」こく

勇者「…」

勇者「これくらいできなきゃ使えねぇってことか」

ピノキオ「」こく

勇者「やってやるぜぇ!」

ブンッピカッ

ブンッピカッ

ブンッピカッ
81 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:27:47_85 ID:Av3S1UJS

-----

魔女「ただいまぁ♡」

勇者「」

魔女「…魔力も体力も果ててるわね」

ピノキオ「」こく

魔女「ピノキオにやめさせるなとは言ったけど、ここまでやるとは予想外だわ」

魔女「でもその甲斐あって…」

勇者「…ん」

魔女「おはよう♡」

勇者「おかえり…」

魔女「ほら起きて起きて!」

勇者「ずっと剣振ってたぞ…」

魔女「どう?疲れた?」

勇者「やばい…今まで一番疲れた…」

魔女「体力に加えて、魔力も尽きてるのよ」

勇者「なにこれ、魔力なくなるとこんな疲労感出るんだな」

魔女「そうねよく頑張りました♡」

勇者「あぁ…」

魔女「じゃあこれ飲んでみて?」

勇者「ん」ごくっ

勇者「…ん?」

魔女「どう?」

勇者「なんか体はだるいけど目は覚めた感じする」

魔女「魔力が回復する薬よ。今ので魔力が戻ったわ」

勇者「ふーん」
82 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:28:37_87 ID:Av3S1UJS

勇者「動きたくないけど落ち着かない」

魔女「…魔力が有り余ってるのね」

魔女「ほら、魔法使ってみて?」

勇者「んっ」ぐっ

ぼぅっメラメラ〜

魔女「そうそう」

勇者「ん?」

魔女「どうかしら?」

勇者「なんかわかった気がする」

勇者「剣を振る感覚と、魔法を使う感覚が似てる気がする」

勇者「いや全然違うんだけどな」

勇者「今まではただなんとなく念じたらできたって感じだけど、今は力を込めたらできるというか…」

魔女「そう、それが魔力を使ってるってことなのよ」

勇者「へー初めての感覚だ」

ぼぅっメラメラ

勇者「うん、わかる。魔法を使った感覚なのか」

魔女「そっかそっか♡」
83 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:28:57_85 ID:Av3S1UJS

勇者「ふぅ…なんか頑張ったなぁ」

魔女「今日はもうおやすみね♡」

勇者「そうするよ…」

勇者「って、マスクしてないけど風邪は大丈夫なのか?」

魔女「え、えぇ良くなったわ」

勇者「喉の調子も良さそうだな」

魔女「ふふ♡勇者の好きな声になった?♡」

勇者「誰も好きだなんて言ってねぇよ」

魔女「心配してくれてありがと♡」

勇者「はいはい」

魔女「じゃあ勇者はベッドでおやすみよ♡」

勇者「はーいおやすみ」バタンッ
84 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/23 00:29:23_94 ID:Av3S1UJS

-----

魔女「今日は疲れたわぁ」

魔女「…にしても、なんとかできないものかしらね」

魔女「今日で魔力のストックは全部使っちゃったし」

魔女「さすがに明日はばれるかしらね」

魔女「ずっとマスクつけるのも嫌だしなぁ」

魔女「私も年貢の納めどきってやつなのかなぁ」

魔女「まぁ彼のそばでなら本望ではあるかも…」

魔女「ていうか、なんで惚れ薬が効かないのよ」

魔女「最初のサンドウィッチから入れてるのに!」

魔女「…まぁそれも理由はわかるけどさー」

魔女「あーもう!どうすればいいのよ…」

魔女「はぁ…勇者のことは本人に教えた方がいいのかしらねぇ…」

魔女「急に時間がなくなると大変だわぁ」
85 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:21:56_57 ID:GPj0QwqS


---
-----

勇者「…」

魔法使い「魔王の最後の攻撃…なんだったんだろうね」

戦士「黒い霧が勇者を追いかけていたように見えたが」

魔法使い「その霧が勇者を包んだと思うと、すぐに消えたし…」

僧侶「大丈夫だったか?」

勇者「あぁ…特に何もないよ」

魔法使い「ふむ」

僧侶「魔法使いもあの魔法に心当たりはない?」

魔法使い「ぜーんぜん」

戦士「となると、ただの脅しか?」

僧侶「最後っ屁にしては、魔王の勝ち誇った顔が忘れられないよ」

勇者「…たぶん呪いだ」

僧侶「呪い?」

魔法使い「呪いって、どんな」

勇者「さぁな、俺にもわからんよ」

魔法使い「う〜ん、考えとくね」

勇者「あぁ、頼んだ」
86 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:22:20_48 ID:GPj0QwqS

戦士「とまぁ…辛気臭い話はこれくらいにして…」

僧侶「そうだね」

勇者「ついに倒したんだ!」

戦士「そうだぜ!宴だ!」

魔法使い「ほんと、すぐ浮かれちゃって」

戦士「いいじゃねぇか、今祝わなきゃいつ祝うよ」

勇者「そうだぞ〜魔法使い」

勇者「そんなに気を張ってばっかだと白髪増えるぞ〜」

魔法使い「もう!失礼ね!」

魔法使い「とりあえず、色々と終わったら勇者は私のとこに来てよね!」

勇者「へいへい」

僧侶「おぉ、魔法使いが大胆にも勇者を家へ誘って…」

魔法使い「茶化さない!呪いのことよ」

戦士「ほんとにそれだけか〜?」

魔法使い「も、もう…」

勇者「ほらほら、お前ら魔法使いをいじめるのは終わりだ」

魔法使い「別にいじめられてなんか」

勇者「いつもありがとうな」

魔法使い「え?」

勇者「お前ら、長い間ありがとうな」

戦士「ああ」

僧侶「うん」

勇者「おそらく魔王はまた復活をするだろう」

勇者「これからの俺たちの役目は、それまでに今より良い世界を築くことだ」

勇者「そして再び魔王と人間が争う時…」

勇者「その時にこそ、真に魔王を打ち倒せるように尽力しようじゃないか」

僧侶「なに急に真面目ぶってんのさ」

戦士「にあわねぇ」

魔法使い「ほんとそうね」

勇者「おいおい少しは勇者らしいこともさせろよなー」

-----
---
87 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:22:39_45 ID:GPj0QwqS

ーday7ー

チュンチュン

勇者「ふぅ…昨日は疲れたなぁ」

勇者「ぶっ倒れるまで剣振ったのとか久しぶりだぜ」

勇者「さっさと強くなってここから出るぞー!」

ピノキオ「」ちらっ

勇者「おはよう、今行く!」
88 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:23:05_34 ID:GPj0QwqS

-----

勇者「あ〜体だりぃ〜」

魔女「おはようダーリン♡」

勇者「おはよ…う?」

魔女「あはは…あんまりジロジロ見ないでくれる?」

勇者「なんか…老けた?」

魔女「そんなはっきり言わないでよ」

勇者「悪い、でも所々白髪が目立つし…」

魔女「まぁ、色々あるのよ」

勇者「どういうことだよ」

魔女「言わなきゃだめ?」

勇者「できれば聞きたい」

魔女「はぁ…」

魔女「今まではストックしていた魔力で誤魔化してたけど、昨日の遠出で全部使っちゃって」

魔女「あんまり若い姿を作れないの…」

勇者「魔女が若かったのは、魔力のおかげなのか?」

魔女「そうよ」

勇者「まぁ魔女だしそりゃそうか…」

魔女「ごめんね?」

勇者「ん?なにを謝ってるんだ?」

勇者「別に老けてようが魔女は魔女だ」

魔女「ゆ、勇者…♡」

勇者「人を外見で判断するほど腐ってねぇぞ」

魔女「好き♡」

勇者「はいはい」

魔女(気にしてた私がバカみたい)

勇者「あ、でもご飯の味付け薄くなったりするのは嫌かな」

魔女「それはない」
89 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:23:29_82 ID:GPj0QwqS

-----

勇者「うまかったー!」

勇者「老けたことで料理に影響出るかと思ったけど、そんなことなかったな」

魔女「当然でしょー」

勇者「ごちそうさまでした」

魔女「いいえー♡」

魔女(惚れ薬に効果はなしっと)

魔女「さぁ!今日も特訓するわよ!」

勇者「…その前にさ、聞きたいことがあるんだが」

魔女「なぁに?♡」

勇者「森から魔力貰ってるのんだし若く戻れないのか?」

勇者「魔女は魔女とはいえ、やっぱり違和感が…」

魔女「それができたらもうやってるわよ」

魔女「私が作った魔法式がぐちゃぐちゃにされて、どーしようもないの」

勇者「そんなことができる奴がいるのか!」

魔女「そうね、私も驚きだわ」

勇者「世の中広いなぁ…」
90 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:23:56_69 ID:GPj0QwqS

勇者「あ!あともう1ついいか?」

魔女「なにかしら?」

勇者「昨日の話なんだが、勇者の呪いってやつはなんなんだ?」

魔女「そうねぇ…」

魔女「詳しくはわからないけど、酷いものだったらしいわよ?」

魔女「末代まで呪う魔法だったらしいし」

勇者「本当か?」

魔女「本当よ」

勇者「そうか…」

魔女「…」じー

魔女「あなた、自分が勇者の子孫って知ってるのね?」

勇者「!」

勇者「まぁな…」

勇者「旅に出る前に王様に直接言われた」

魔女「でもそれ隠してるんだ?」

勇者「悪いかよ」

魔女「過去の勇者に何があったか、誰かから聞いたのかしら?」

勇者「…あぁ」

勇者「そのせいで、英雄だった俺の家は腫れ物みたいな扱いになったらしいな」

魔女「その話は一部では有名な話だからねぇ」

魔女「調べれば簡単にわかるもの」

勇者「そうなのか」

勇者「初めはその話を知らずに、子孫であることは隠しとけとしか言われてなかったからなぁ」

勇者「つい口が滑って言っちまったときは、変な目で見る輩が多かった」

魔女「…色々苦労してるのね」

勇者「まぁな」
91 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:24:29_54 ID:GPj0QwqS

魔女「…わかったわ」

勇者「ん?」

魔女「私も隠すのはやめてはっきり言うわね」

勇者「あ、あぁそうしてくれよ」

魔女「色々調べたんだけどね、あなたは呪われているの」

勇者「はぁ?」

魔女「あなたが普通の魔法式で魔法が使えないのも、魔力を感じれなかったのもそのせいよ」

勇者「そういう呪いなのか?」

魔女「…まぁ、呪いの結果そうなったってだけで、呪いの本質は違うわ」

勇者「なんなんだ?」

魔女「あなたが魔物になる呪いよ」

勇者「は?」

魔女「えっとねぇ…あなたには魔族の力も流れてるのよ」

魔女「遺伝的に受け継がれてきてるのよ」

勇者「…意味わからねぇぞ」

勇者「どこでそんなもの入るんだよ」

魔女「だから魔王の呪いが『勇者を魔物にする』、そういう呪いなのよ」

勇者「そうなのか…」

魔女「…少し長くなるけど聞いてくれるかしら?」

勇者「あぁ」
92 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:25:36_35 ID:GPj0QwqS

魔女「昔の勇者が呪われた時、初めはなんの異変もなく気づかなかったわ」

魔女「けど呪いは確実に体を蝕んでいったの」

魔女「魔王を倒してから数年経った頃、勇者は急に苦しみだすことがあった」

魔女「そして酷い日には、部屋で暴れたりしていたのよ」

魔女「初めはよくわからなかったけど、きっと勇者が呪いと戦っていたのよね」

勇者「呪いって、魔物になるっていう?」

魔女「そう」

魔女「徐々に魔物へと変化していく呪い」

勇者「徐々にか…」

魔女「ある時、勇者に異変を感じたわ」

魔女「たまに、勇者の目つきが人間のものじゃなくなっていたの」

魔女「そして、歯、手、足、様々なところが人間からかけ離れた形に変化していったわ」

魔女「そして勇者はだんだん魔物のような姿へ変わっていった」

魔女「勇者は、呪いのせいで正気を失っていったわ」

魔女「彼なりに呪いと戦っていたけど、最後の力全てを使った呪いなだけあってかなり厄介だったの」

魔女「ずっと勇者は苦しんでいたわ」

魔女「心と体が徐々に魔物へ変わって行く恐怖といったらね…」

勇者「…」

魔女「まぁでも勇者は最後まで魔物になりきることはなかったわ」

魔女「手遅れになる前に、全てを誰かに託して死んでいったの」

勇者「そうなのか…」

魔女「そしてそれは末代まで続くと言われているわ」

勇者「はぁ?」

魔女「勇者の子供も、ちょうど20の歳になってから徐々に魔物へと変わっていったわ」

勇者「じゃあ俺も魔物になるって言うのかよ!」

魔女「…まだそうと決まったわけじゃないわ」

勇者「なんだよそのあやふやな答えは」

魔女「呪いは魔王を完全に倒せれば解けるはずよ?」

勇者「ちっ、やっぱ魔王を倒すしかないのか」

魔女「魔王の呪いの目的は、勇者の血筋を途絶えさせること」

魔女「…できるだけ惨ったらしくね」

勇者「魔物になれば、あとは人に殺されるだけになるもんな…」
93 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:26:14_31 ID:GPj0QwqS

魔女「…逆に考えれば、それだけ魔王が勇者の血を恐れているのよ」

魔女「そして魔王が復活した今、魔王が恐れているのはあなたよ」

魔女「幼少期に襲われたのもそのせいかもしれないわね」

勇者「…俺ならできるってのか?」

魔女「できるわよきっと」

魔女「というか、あなたがやらなくて誰がやるのよ!」

勇者「…まあな」

魔女「それにね、あなたの代までしっかり子孫が残されているけど、それはあなたの親や先祖の強い心のおかげよ」

魔女「子供も同じ苦しみを味わうとわかってるけど、それでも勇者の血を途絶えさせないためにどれだけの覚悟があったか想像できる?」

勇者「…」

魔女「それでも、世界のために勇者の血を残してきたの」

勇者「そんな自分勝手な…」

魔女「ほんとそうね、自己犠牲にもほどがあるわよ」

魔女「でもその結果、今ここにあなたがいるじゃない」

魔女「きっとあなたは生まれた時から魔王討伐の使命があるのよ」

魔女「そしてあなたがこの呪いを断ち切るの」

魔女「わかった?」

勇者「…当然だ」

勇者「やってやるよ」

勇者「俺のご先祖様が苦しんだ呪いを断ち切るチャンスなんだ」

勇者「ここでやらにゃきゃあの世で先祖に顔を合わせられないぜ」

魔女「ふふっ、いいこいいこ♡」

勇者「お母さんかよ」

魔女「もー!せめて恋人にしてよね!」

勇者「その老け顔でよく言うぜ」

魔女「あなたね、デリカシーってものを考えてよ」

勇者「152歳にデリカシーなんてあるのか」

魔女「女は何歳でも乙女なのよ♡」

勇者「…はいはい」

魔女「失礼しちゃうわね」
94 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:27:57_28 ID:GPj0QwqS

-----

勇者「で、今日の特訓は?」

勇者「魔法式の勉強をして」

勇者「魔力の使い方を勉強して」

勇者「今日はもしかして…」

魔女「魔法剣ね」

勇者「!!!」

魔女「露骨にテンション上がってるわね」

勇者「だってなんか名前からしてすごそうじゃん!」

魔女「この技はね、歴史を辿っても魔法剣の達人と呼べる人は5人もいないわ」

勇者「…そんなものが俺に使えるのか?」

魔女「あなたは特別じゃない」

勇者「そうなのか?」

魔女「そうよ?」

魔女「勇者の血か魔族の血か、どっちのおかげかは知らないけど…」

魔女「あなたには特殊な力があるの」

勇者「どんな…?」

魔女「魔法式を上書きする力よ」

魔女「…もしかしたら魔法に限らないかもしれないわね」

魔女「この世の理屈にハマってないのよあなたは」

勇者「…?」
95 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:28:30_10 ID:GPj0QwqS

魔女「世の中ね、色々と何かしら線引きされてるものなのよ」

魔女「でもあなたはその上にまたがってるの」

勇者「えっと…人間と魔族をってことか?」

魔女「そうよ」

魔女「そのおかげか知らないけど、あなたは境界線をぐちゃぐちゃにする力があるの」

勇者「破壊神みたいな言い草だな」

魔女「ほんっと私からしたら破壊神ね」

勇者「そうなのか?」

魔女「魔法に関しても意味わからないもの」

魔女「ちゃんと説明すると…」

魔女「何もないところに簡単に魔法式を書き込んだり、元ある魔法式をいともたやすく書き換えたりできるの」

勇者「それはすごいのか…?」

魔女「そりゃあ生まれてこの方、そんな人は見たことないわよ」

勇者「俺ってすごいんだな…」

魔女「普通、魔力は魔法式に従って変換されるんだけど、あなたの場合は魔力そのものが魔法式を持っている感じね」

勇者「…?」

魔女「普通の人は水なんだけど、あなたは色んな種類の紅茶みたいなものよ」

勇者「なるほど?」

魔女「とにかく、恐ろしいったらありゃしないわ」

勇者「俺は魔女の天敵ってところか」

魔女「そういうことね」
96 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:28:50_87 ID:GPj0QwqS

魔女「あと周りの人にまで影響を及ぼしてるし」

勇者「どういうことだ?」

魔女「どうしてあなたの周りに、魔王を討伐できる見込みのある仲間が集まったと思う?」

勇者「それはたまたま…」

魔女「たまたまじゃなくて、あなたが側にいたからよ」

魔女「普通の人がぶつかる壁を、あなたはどんどん壊しているの」

魔女「だから人一倍成長できるし、新しい力を身につけれるの」

勇者「へーそうなのか」

勇者「どうりで魔法使いも僧侶も、そこいらの冒険者より強いわけだ」

魔女「そういうこと♡」

魔女「まぁ、もともと彼女たちにも素質があったっていうのも大きとは思うけどね」

勇者「俺にそんな力があったとはな…」

魔女「まぁ、勇者と魔族の混合って時点で規格外だし当然なのかしらね?」

勇者「それは喜んでいいのか?」

魔女「そのおかげでより強くなれるんだから、今は喜んでなさい!」

勇者「はーい」

魔女「と、いうわけで早速魔法剣の特訓よ!」

勇者「はーい」
97 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:29:22_84 ID:GPj0QwqS

-----

魔女「どうかしら?」

勇者「ふむ…わかるようなわからないような」

勇者「今までそんなに意識して魔力を使ってなかったからなぁ」

魔女「これから慣れていけばいいわ」

勇者「魔法の練習もしないとな」

魔女「それもそうだけど、正直魔法はあんまり期待してないわ」

勇者「そうなのか?」

魔女「だって、もともと素質があるわけでもないもの」

勇者「え、そうなのか?」

魔女「魔力は多いし、質も珍しいのは事実だけど…」

魔女「それと魔法の素質とはまた別物」

魔女「魔族の力がなければもっとポンコツだったかもしれないわねー」

勇者「えぇ…なかなか凹むんだが」

魔女「でも、あなたの変わった才能と有り余る魔力があるからこそ、魔法剣が使える可能性があるのよ?」

魔女「そんなに落ち込むことないわよ♡」

魔女「歴代の勇者も魔法は苦手だったみたいだし」

勇者「そうなのか?」

勇者「んー…じゃあそういうことにしとこう!」
98 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:30:06_33 ID:GPj0QwqS

勇者「はぁ〜疲れた!」

魔女「休憩しましょうか」

ピノキオ「」かちゃかちゃ

勇者「お、紅茶か。気がきくじゃんありがとう」

魔女「いい子いい子」

勇者「…なぁ」

魔女「なぁに?」

勇者「ありがとうな」

魔女「急にどうしたのよ」

勇者「最初は拉致されてきたけど、色々と世話になってるからな」

魔女「はいはいどういたしまして♡」

勇者「…でも魔女には悪いが、俺はそのうちここを出て行くぞ」

魔女「…えぇ」

魔女「その日もそう遠くないわよ」

99 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:30:24_25 ID:GPj0QwqS
勇者「あ、そういえばさっきの話を聞いて思ったんだが…」

勇者「魔女が老けてるのってさ、俺も関係してるのか?」

魔女「…どうでしょうね」

勇者「えーそこ隠すのかよ」

魔女「その時が来たらいうわよ」

勇者「またそのパターンかよ」

魔女「女はミステリアスな方がモテるのよ♡」

勇者「いつの時代の話だよ」

魔女「えーそうじゃないの?」

勇者「今は素直で可愛げがある方がモテるぞ」

魔女「私可愛げない?」

勇者「…おばさんに聞かれてもな」

魔女「それ結構凹むんだけど

勇者「そもそも人に聞くことか?」

勇者「まぁ、連れてこられた最初は無理してる感あったからなぁ」

勇者「今の方が自然体でいいと思うぞ」

魔女「勇者…!」

勇者「なんだよ」

魔女「好き♡」

勇者「はいはい」

魔女「もーそういうとこも可愛いわよ♡」

勇者「…ちっめんどくせー」

魔女「ツンツンしちゃってー♡」

勇者「はぁ…」
100 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:30:51_60 ID:GPj0QwqS

-----

魔女「なかなかいい感じね!」

勇者「そうか?昨日の特訓と同じ感じしかしないんだけど」

魔女「その剣をよく見てごらんなさい」

勇者「…特に前と同じだが」

魔女「そう見えるかしら?」

魔女「この宝石少し変わってない?」

勇者「…言われてみれば色が少し違うような…」

魔女「実はね、その剣が奪う魔力の量を減らしたのよ」

魔女「それなのに同じ感じっていうことは、魔力の扱いが上手くなった証拠よ」

勇者「なるほど…俺の意識で魔力が送れてるということだな」

魔女「その通りよ。わかりやすく言ってくれてありがとね」

勇者「俺としては昨日と同じイメージで剣を振ってるだけなんだがな」

魔女「次の段階ではそのイメージに魔法を付け足すことになるわ」

魔女「送っている魔力を使って剣を魔法で包み込むのよ」

勇者「それが魔法剣ってことか」

魔女「そうそう」

魔女「ただ重要なことが一つあるのよ」

勇者「なんだ?」

魔女「剣技に合わせて魔法を使わないといけないの」

勇者「当然じゃないのか?」

魔女「当然といえば当然だけど、ちょっと勘違いしちゃダメなところでもあるの」
101 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:31:11_24 ID:GPj0QwqS

魔女「極端な話、ただ燃える剣ならあらかじめ燃やしとけばいいじゃない?」

勇者「言われてみればそうだな」

魔女「でも魔法剣はわざわざ魔力を使って燃やしてるんだから、ちゃんと魔力を操ってあげないと意味ないのよ」

勇者「どういうことだ…?」

魔女「まぁ、適当に言うと相手に当たる瞬間に爆発するとか…」

勇者「なるほど!」

魔女「切りつける瞬間、相手を稲妻で貫いて怯ませることでガードを弱めるとか」

勇者「おぉ!」

魔女「とまぁ、そんなことをできるようにならなきゃ意味ないのよ」

勇者「それを習得して、初めて魔法剣なんだな」

魔女「そういうこと♡」

魔女「だから、過去に魔法剣をマスターした人というとかなり限られた人数になるのよねぇ」

魔女「燃やせば魔法剣だとか、ビリビリしてたら魔法剣だとか思ってる勘違いが多いのよまったく!」

勇者「…結構こだわり強いんだな」

魔女「当たり前じゃない!」

魔女「魔法の名を使っておきながら、魔法の良さを何一つ活かしてない技を見たらどれほど口出ししたくなると思う?」

勇者「年をとるとそういうところにうるさくなるんだな」

魔女「歳は関係ないわよ」

魔女「でも、勇者ならきっと習得できるわ」

勇者「ほんとうか!」

魔女「当然じゃない、私が教えてるんだもの♡」

勇者「これ以上ない説得力だな」

魔女「ふふ♡あなたが魔法剣を使ってる姿が楽しみだわ♡」

勇者「期待に添えるように頑張らなければならないな」

魔女「いいこいいこ♡」

勇者「はいはい」
102 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:31:33_32 ID:GPj0QwqS

-----

勇者「ふぅ、疲れた」

魔女「そうねーもう夜だわ」

勇者「今日の特訓はどうだった?」

魔女「んーまぁいいんじゃないかしら?」

魔女「魔力の使い方も上手くはなってるし…」

魔女「でも魔力に意識しすぎて踏み込みが甘い時もあったけど」

勇者「なんか褒められてるのかわからないな」

魔女「もともと才能がないところからスタートしてるんだから、十分よ♡」

勇者「はっきり才能がないって言われるのも凹むぞ」

魔女「とにかく!今日のところはこれでおしまいね♡」

魔女「時間はたっぷりあるんだし、魔王と戦うまでに習得できれば大丈夫よ!」

勇者「そうだな…」
103 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/24 01:32:10_55 ID:GPj0QwqS

魔女「ところで、明日の朝ごはんは何がいいかしら?」

勇者「ん?そうだなぁ…」

魔女「なんでもいいわよ♡」

勇者「じゃあ肉を食べたい」

魔女「朝から重いもの食べるのね…」

勇者「朝の肉くらい普通だろ」

勇者「魔女の胃が年なだけだ」

魔女「いや若くてもしんどいわよ朝から肉なんて」

勇者「そうかぁ?みんな普通に食べるけどな」

魔女「時代の流れね…」

勇者「なにを急にしみじみ言ってんだ」

勇者「見た目と一緒に中身も老けてるぞ」

魔女「そうねー歳をとるって怖いわぁ」

勇者「…調子狂うぜ」

魔女「おやすみなさい♡」

勇者「おやすみ」
104 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:27:55_82 ID:Bt0CpOKS


---
-----

魔法使い「で、調子はどう?」

勇者「あぁ、いい感じだ」

魔法使い「それならよかったわ」

魔法使い「ただ勘違いしないで欲しいのは、呪いが解けたわけじゃないってこと」

魔法使い「あくまで魔力を使って呪いの発症を抑えてるだけだからね」

勇者「わかってるよ」

魔法使い「呪いは少しずつあなたの体を蝕んでるわ」

勇者「あぁ、理解してるさ」

魔法使い「はぁ…にしても、これだけで3年もかかっちゃったわ」

勇者「はは、俺のためにありがとうな」

魔法使い「いいのよ、あなたはまだ死んで欲しくないもの」

勇者「おいおい変なこと言い出すなよ〜」

魔法使い「…でも、もっと早くできてたらあなたにも辛い思いをさせないで済んだのに…」

勇者「まぁそれは仕方ねぇよ。こうやって平常心で過ごせてるだけ今が幸せだ」

魔法使い「でも、色々と制限させちゃうし」

勇者「みたいだな。この森から出るのもダメなんだろ?」

魔法使い「えぇ、よくわかったわね」

勇者「そりゃ体に魔法陣描かれたら嫌でもわかるよ」

勇者「この森から魔力を貰ってることがひしひしと伝わってくるからさ」

魔法使い「なかなか大変だったのよ?」

勇者「ほんとありがとうな」

魔法使い「いいのよ気にしないで」
105 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:28:16_33 ID:Bt0CpOKS

戦士「おーい、遊びに来たぞー」

僧侶「2人の新居を見に来たぞー」

魔法使い「あらいらっしゃい」

僧侶「お2人の仲を邪魔して悪いねぇ」

勇者「むしろこれからも邪魔しに来いよ?暇だから」

戦士「おう。暇があったら来てやるよ」

僧侶「とか言って戦士はなかなかこれなさそうだよね」

戦士「後輩戦士達の指導を各地で頼まれててな」

勇者「人気者だな。それはご苦労さん」

僧侶「かくいう私も大教会の名誉司祭になっちゃってもう大変だよ」

魔法使い「あら、てっきりあなたは研究職に行くものだと」

僧侶「やっぱり魔王を討伐したってなると、色々箔がついちゃってね…」

勇者「…まぁ俺も昔はそんなもんだったな」

魔法使い「そうなの?私は何もなかったけど…」

僧侶「だって魔法使いはすぐ隠居生活始めたじゃん」

戦士「正確には、勇者のために研究してたんだよな」

僧侶「一途だねぇ」

魔法使い「ちょっとーあんた達も勇者がいなくなったら寂しいでしょ」

戦士「そりゃそうだ」

僧侶「なんだかんだ一緒に魔王倒した仲だしね」

勇者「…なんだよお前ら泣かせに来てんのか?」

-----
---
106 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:28:56_29 ID:Bt0CpOKS

ーday8ー

チュンチュン

勇者「ふぁ〜あ」

勇者「もうここに来てどれくらいだ?」

勇者「…いい加減ここを出ないとな」

ピノキオ「」

勇者「ん?ピノキオ?」

勇者「ここで寝てどうしたんだ?」

ピノキオ「」

勇者「…動かない?」

勇者「…嫌な予感がする」ダッ
107 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:29:41_19 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「魔女!」

魔女「何かしら」

勇者「!?」

勇者「その姿…」

魔女「えぇ、みっともないでしょ?」

勇者「…みっともなくはない」

勇者「ただ老けただけだ」

勇者「自然の摂理だ」

魔女「ふふ、気を遣ってくれてありがとね」

勇者「にしても、一気に老けすぎじゃないか?」

勇者「お婆さんじゃないか」

魔女「えぇ…ガタがきたみたい」

勇者「そうか…」

勇者「…すまない」

魔女「なんで勇者が謝るのよ」

勇者「俺がここにいるから、若くいられないんだろ?」

魔女「…その通りよ」

勇者「やっぱりか…」

魔女「…もう察しはついてると思うけど」

魔女「あなたの魔法を書き換える能力のせいよ」

勇者「そうだろうとは思った」

魔女「まぁ気にしないで」

魔女「あなたを連れてきたのは私だからね」

勇者「…」

勇者「そういえばピノキオが動かないようだが」

魔女「あぁ、あれは昨日動かないようにしたのよ」

魔女「魔力使っちゃうからね」

勇者「そうなのか」

魔女「私もまだやりたいことあるし、少しでも動ける状態がいいじゃない?」

魔女「さて!辛気臭いのは終わり!」

魔女「ご飯にするわよ!」
108 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:29:54_85 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「ステーキか」

魔女「ええそうよ」

勇者「俺は食べれるが…」

魔女「私も食べれるわよ」

勇者「…老体に鞭打たなくていいんだぞ?」

魔女「馬鹿何言ってるの」

魔女「肉は長生きの秘訣なのよ?」

勇者「それは初めて知ったな」

魔女「たまに元気な老人がいるじゃない?」

魔女「ああいう人は、好きなものを好きなだけ食べるから長生きできるのよ」

勇者「へーそうなのか」

魔女「そう。だから肉ってことよ」

勇者「せいぜい長く生きてくれよ」

魔女「ふふ、そうさせてもらうわ」
109 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:30:07_71 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「いやーうまかった!」

魔女「そうね…」

勇者「なんかしんどそうだが」

魔女「そんなことないわよ」

勇者「…やっぱ無理したんじゃ?」

魔女「…あまりに美味しくて食べ過ぎたのはあるかもしれないわ」

勇者「こんな歳とって食い意地張るなよな」

魔女「レディに食い意地とか失礼ね」

勇者「はいはい」

勇者「…でも今日の修行は大丈夫なのか?」

魔女「大丈夫よ」

魔女「私は特にすることないから」

勇者「そうなのか?」

魔女「教えることはほとんど教えたし、あとは勇者次第ね」

魔女「私は横で眺めてるだけよ」

勇者「よし、じゃあ早速始めるか!」

魔女「じゃあ私は紅茶でも飲みながら見ておくわ」
110 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:30:27_49 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「なぁ魔女」ブンッブンッ

魔女「なにかしら?」ごくごく

勇者「魔女って結婚とかはしなかったのか?」

魔女「っ!ごほっごほっ」

勇者「大丈夫か?」

魔女「えぇ…大丈夫よ」

魔女「でもなんで急にそんなこと聞くのよ」

勇者「152だし、そういうことはあったのか気になってな」

魔女「へぇ、あなたが私に興味持ってくれたんだ?」

勇者「少しくらいは魔女のことも知りたくなってな」

魔女「嬉しいわ♡」

魔女「でも同情かしら?」

勇者「そんなんじゃねぇよ」

魔女「ま、なんでもいいわ」

魔女「私は結婚はしてないわ」

勇者「それは意外だな」

勇者「こう言っちゃあれだが…」

勇者「魔法もできて美人だし、130年くらい前なら絶対モテてたと思うが」

魔女「うーん、そう言ってくれるのは嬉しいんだけどね」

魔女「それでも振り向かない男なんて山ほどいるわよ」

勇者「そういうもんなのか」

魔女「って、もしかして私のこと好きになっちゃった?♡」

勇者「それはない。」

魔女「厳しいのね」
111 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:31:02_73 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「なぁお婆さん」

魔女「…」

勇者「おーい、婆さんや」

魔女「…」

勇者「…耳も遠くなったのかな」

魔女「あなたね、冗談にしてもやめてくれないかしら?」

魔女「デリカシーがないわよ」

勇者「申し訳ない」

魔女「わかればいいのよ」

勇者「…色々と申し訳ない」

魔女「何よ急に」

勇者「今思えば、俺が来たことで魔女の生活を壊したわけだし」

魔女「またその話?」

魔女「気にしてないから安心して」

勇者「そうは言っても、やはりけじめがつかない」

勇者「しっかり言葉で伝えなきゃ、俺が落ち着かないんだ」

魔女「ふふ、あなたってやっぱりまだまだ子供ね」

勇者「わがまま言って悪いな」

魔女「いいのよ」

魔女「で、何かしら」

勇者「魔女の生活を壊して申し訳ない」

勇者「それなのに俺に稽古をつけてくれてありがとう」

魔女「はいはいどういたしまして」

勇者「…まぁ今はこれくらいでいいか」

魔女「気になるじゃない」

勇者「なんでもいいだろ」

魔女「何よそれずるいわね」
112 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:31:34_44 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「なぁ魔女」

魔女「何かしら?」

勇者「魔女って、本当に若かった頃は何をしてたんだ?」

魔女「私も冒険してたわ」

勇者「そうなのか?」

魔女「それも魔王を倒すために」

勇者「…ちょっと待った」

勇者「それって勇者のパーティにいたってことか?」

魔女「そうよ?」

勇者「そうなのか!」

勇者「ん?もしかして前に話してた、勇者の呪いの話って…」

魔女「えぇ、私が自分の目で見たことを話したまでよ?」

勇者「どおりで臨場感ある説明だったわけだ…」

魔女「そんな風に聞こえたのね」

勇者「そりゃもう本当に辛かったんだろうなって」

魔女「そうね…何より苦しそうにしてる勇者を見てるのが辛かったわ」

勇者「そうか…」

魔女「でも、なにも悲しいことばかりでもないのよ?」

魔女「私も楽しいこととかたくさんあったし」

魔女「なにより、大切な人のために頑張れたのは幸せよ」

勇者「魔女も昔は一途だったんだな」

魔女「今も一途よ♡」

勇者「そうですか」
113 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:33:07_44 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「って、そんなことより是非とも魔女の冒険の話が聞きたい」

魔女「ふふ、どうしようかな」

勇者「ダメなのか?」

魔女「いいわよ」

勇者「やった!」

魔女「なによ嬉しそうにしちゃってー」

魔女「可愛いわね♡」

勇者「だって昔の冒険の話、しかも勇者の冒険の話なんて、本でしか読んだことがないんだぞ!」

勇者「それを当事者から生の声で聞けるなんて、そんな幸せないだろ」

魔女「…なんだろう、すごい自分が老いたことを実感したわ」

勇者「そういうつもりで言ったわけではないぞ」

魔女「わかってるわよ♡」

魔女「えっとねぇ…じゃあ初めから話すわね?」

勇者「頼む!」

魔女「ちゃんと鍛錬はするのよ?」

勇者「当たり前だろ!」
114 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:33:45_55 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「なぁ魔女」

魔女「なに?」

勇者「さっきの話、なんで途中でやめたんだ?」

魔女「あんたが集中しないからでしょ」

勇者「とは言ってもさ、同じ場所を訪れたりするとやっぱテンション上がるだろ」

魔女「ふふふ、可愛いところあるのね」

勇者「うるせぇ」

勇者「でも勇者って言えば、俺の憧れだからなぁ」

魔女「だから色々想いを馳せちゃうわけね」

魔女「じゃあそんなに聞きたいならまた後で聞かせてあげるわよ」

勇者「本当か!」

魔女「そんなことで嘘はつかないわ」

勇者「ありがとう!!」

魔女「ところで、魔力を剣に送るのにはもう慣れてきたかしら?」

勇者「ぼちぼちかな」

魔女「じゃあそろそろ、魔法陣を剣の上に書いて、魔法剣を使ってみましょう!」

勇者「ついにか…!」
115 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:35:48_45 ID:Bt0CpOKS

-----

魔女「じゃあとりあえず、無理だと思うけど魔力コントロールでしてみましょう」

勇者「はーい」

魔女「まず剣を炎で包みこめる魔法陣を意識して?」

勇者「はい」

魔女「まぁすでにあなたにしかできないことだけど」

勇者「本当はどうするんだ?」

魔女「そりゃあそのまま、道具を使って刻み込むのよ」

勇者「だから戦いの中で書き換えるのは無理なのか…」

魔女「そういうことね」

勇者「で、できてるかはわからないが魔法のイメージしはしたぞ?」

魔女「そして魔力を流す」

勇者「ふぅ…」メラメラー

勇者「ちゃんと燃えたな」

魔女「うんうん、上出来ね」

魔女「次に先端部分を最大火力にします」

勇者「…」

勇者「…こうだよな」ぼぅっ!

魔女「今度は中腹のみを最大火力に」

勇者「……はい」ぼぅっ!

魔女「ふむ、やっぱり魔力コントロールでやると時間かかるわね」

勇者「これでもダメなのか?」

魔女「今の速度だと、相手を切りつけて距離を置いた後に爆発してるわよ?」

勇者「…戦闘が華やかになるな」

魔女「ほんと見栄えだけはしそうね」
116 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:36:17_92 ID:Bt0CpOKS

魔女「あと、実戦は体全身動かしてるんだからね?」

魔女「今剣だけに集中しててこれだと、実戦じゃ魔力をコントロールする余裕がなくてほんとに燃やしただけの剣になっちゃうわよ」

勇者「それは魔法剣ではないからなぁ」

魔女「ふふ、よくわかってるじゃない」

魔女「というわけで、あなただけのやり方ね」

勇者「ぜひ教えてくれ」

魔女「さっきは魔力を使って、火力を上げたわよね?」

勇者「あぁ。そのつもりだが」

魔女「じゃあ今度は魔法陣を書き換えるわよ」

魔女「魔力の分布はほぼ一定にして、先端を最大火力になるようイメージして、魔法陣を書き換えようとしてみて」

勇者「やってみる」メラメラー

魔女「普通の人だと、魔力の分布が一定って時点でただ燃える剣になっちゃうわけだけど…」

勇者「いくぞ」

勇者「はい」ぼぅっ

魔女「次は中腹」

勇者「はい」ぼぅっ

魔女「手元と先端」

勇者「ほい」ぼぼぅっ

魔女「ふむ…」

勇者「できてるか?」

魔女「えぇ。問題なくできてるわ」

勇者「やった!」

魔女「なるほど…力加減をするのではなく、本当にイメージするだけでできてる感じなのね」

勇者「そうだな」

勇者「燃えろ!て思うと燃える感じだ」

魔女「羨ましい才能ね」

勇者「遺伝のおかげだな」

魔女「魔族と勇者の魔法の力が血に刻まれてるのね」

魔女「まぁ、ここまで身につけるのもあなたの努力のおかげよ」

魔女「誇っていいわ」

勇者「ありがとう」

魔女「よし!じゃあ次は剣を振りながらそのコントロールができるかやってみましょう」

勇者「おう!」
117 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:36:39_83 ID:Bt0CpOKS


ーーー
ーーーーー

魔法使い「でもあなたの家族を置いてきてよかったの?」

勇者「あぁ」

魔法使い「こっちで一緒に暮らせば良いのに」

勇者「あいつらにはちゃんと街の中で平和に暮らして欲しいからな」

魔法使い「あなたと過ごせる時間の方が、彼女たちにとっても幸せだと思うけど」

勇者「うーん、でもなぁ…」

魔法使い「なによ?」

勇者「俺自身、呪いが俺の体を蝕んでるのがよくわかる」

勇者「いつ動けなくなるかもわからない状況だ」

勇者「俺がベッドで寝込んでる姿なんて見られたくねぇよ」

魔法使い「見栄っ張り」

勇者「うるせぇ」

魔法使い「冒険してる途中も全然辛い姿は見せなかったわよね」

勇者「そりゃみんながいれば辛いことでも乗り越えられるからさ」

魔法使い「それなら、これからの生活には絶対奥さんいた方が強くなれる気がするけど」

勇者「はいはい俺には俺のやり方もあるんです」

魔法使い「はぁ…素直じゃないわね」

勇者「病気で入院してるところに、家族で居座るわけないだろ」

魔法使い「はいはい屁理屈はおしまい」

魔法使い「ほんっとにもう」

勇者「手間かけさせて悪いな」

魔法使い「わかってるならたまには素直になれば良いのに」

-----
---

118 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:37:05_48 ID:Bt0CpOKS

魔女「ん…」

勇者「ふっ!はっ!」ぶんっぶんっ

魔女「ふぁ〜あ」

魔女(うたた寝しちゃったみたいね)

勇者「もっと丁寧にしなきゃな…」

魔女(真面目ねぇ)

魔女「ふぅ…」もぞもぞ

魔女(ん?この毛布、勇者の部屋の毛布ね)

魔女(なんだかんだ優しいんだから)

勇者「ゆっくり振りつつ…」

魔女(うんうん、ちゃんとできてるわね)

魔女(座学は集中しないくせに、剣を振る時だけは集中力すごいわ)

勇者「…」ぶんっ!

魔女「…」じー

勇者「…」ぶんっ!

魔女(かっこいい)

魔女(…はっ!いけないけない)

魔女(近所の子供を褒め倒すお婆さんみたいになってるわ)

勇者「てい!はぁ!」

魔女(…)

勇者「ふぅ…ここで休憩するか」

魔女(やっぱかっこいいかも)
119 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:37:17_79 ID:Bt0CpOKS

勇者「…って、魔女起きてたのか」

魔女「っ!そ、そうよ!さっき起きたところ」

勇者「???」

勇者「様子が変だが、悪い夢でも見たのか?」

魔女「なんでもないわ」

勇者「そうか」

魔女「見てる感じだと、しっかりやってたみたいね」

勇者「そりゃあもちろん」

勇者「早く使えるようになりたいからな」

魔女「うんうん、この分ならきっと使えるようになるわよ」

勇者「…いつくらいにできそうだ?」

魔女「そうねぇ…使いこなせるのは数ヶ月とか1年後とかかしら」

勇者「はぁ…そんなにか…」

魔女「それでも十分早い方だからわがまま言わないの」

勇者「はいはい」

魔女「実戦で使えるようにならないと意味がないからね」

勇者「ごもっともだな」
120 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:37:34_63 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「なぁ魔女」

魔女「どうしたの?」

勇者「もう外真っ暗だな」

魔女「今日もずっと鍛錬して、よく飽きないわねぇ」

勇者「まぁ小さい頃からの習慣もあるし」

勇者「なにより成長してる実感があって楽しいんだ」

魔女「へー…あなた結構研究職向いてるわよ」

勇者「本当か?」

魔女「昔の勇者も、新しいことを見つけるのが好きで色々やってたからね」

魔女「ちなみにだけど、私が認める魔法剣の使い手の1人が、当時の勇者よ」

勇者「そうなのか?」

魔女「えぇ、隠居し始めてから魔法の勉強を始めて、見事に使いこなしていたわ」

勇者「その勇者も魔族の力が使えたのか?」

魔女「そういうわけじゃないわ」

勇者「じゃあどうやって剣を…」

魔女「そりゃ、あらかじめ剣に魔法陣を刻んでおいて、魔力の調整でうまく発動させるのよ」

勇者「…やっぱりそうなんだな」

魔女「あなたが特別なのよ」

魔女「でも、全力で剣は振るけど魔力は弱め。とかそういう細か〜い繊細な力のコントロールが必要なのよ?」

魔女「その点においては、あなたは勇者の足元にも及ばないわ」

勇者「くっ…そうなのか」

魔女「あなたは魔法式を好きに書き換えれる分、魔力コントロールはそこまで重要でもないのよ」

勇者「うーん…怪我の功名ってやつなのか?」

魔女「あなたの怪我じゃないけれどね」

勇者「…そうだな」

勇者「でもまぁ、せっかく貰った力だし使わない手はないな」

魔女「ふふ、その通りね」
121 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 01:38:15_26 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「なぁ魔女」

魔女「なにかしら?」

勇者「いつ寝る予定なんだ?」

魔女「勇者が寝てから私も寝る予定よ?」

勇者「そいつは奇遇だな」

勇者「俺も魔女が寝るまで付き合おうと思ってたところだ」

魔女「いいから早く寝なさいよ」

勇者「あのなぁ…」

勇者「さすがの俺でもわかる」

勇者「今日が最後かもしれないんだろ?」

魔女「…変な気なんて使わなくて良いのに」

勇者「だからさ、もし話したいことがあるならなんでも話してくれ」

魔女「そうは言ってもねぇ…何が聞きたい?」

勇者「じゃあ、お昼の続きの話をしよう!」

勇者「冒険の途中から」

魔女「…あんたその話が聞きたかっただけでしょ」
122 名前:バブルスライム 投稿日:2018/12/25 01:38:30_89 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「なぁ魔女」

魔女「何かしら?」

勇者「そろそろ寝ようと思うんだ」

魔女「そうね。話も区切りがついたことだし」

勇者「あぁ」

魔女「…なによ?」

勇者「明日起きたら…なんてことはやめてくれよ?」

魔女「心配しなくても大丈夫よ」

勇者「うん、それなら良い」

魔女「ふふ、でもありがと」

勇者「こちらこそ」

魔女「じゃあまた明日ね」

勇者「あぁ、おやすみ」
123 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:35:34_74 ID:Bt0CpOKS


---
-----

勇者「…」

魔法使い「…勇者、連れて来たわよ」

女「…!」

女「あなた…」

少年「パパ…」

勇者「…なんで」

魔法使い「さすがに家族に何も言わずにいなくなるなんて、私が許すわけないでしょ」

勇者「おせっかいを…」

少年「パパ死んじゃうの?」

勇者「そうかもな…」

女「…まだまだ若いのに」

女「私達はどうしたらいいのよ?」

勇者「そんなの、お前ならわかってるだろ」

勇者「俺の自慢の、勇者の嫁と息子なんだ」

勇者「俺がいないくらいでへこたれるような性格じゃないだろ」

女「私はそうかもしれないけど…」

少年「パパ勇者なのに死んじゃうの?」

勇者「今から言う話はちゃんと聞いてくれよ」

少年「うん」
124 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:35:43_11 ID:Bt0CpOKS

勇者「勇者だってな、死ぬときは来るんだ」

勇者「パパがずっと世界を守れるわけじゃないんだ」

勇者「だからもし次に魔王が…」

勇者「いや、魔王だけじゃないな」

勇者「もし周りに何かで困ってる人がいたなら」

勇者「助けてあげるんだぞ。俺の子ならな」

少年「…うん」

勇者「約束だぞ?」

少年「うん…やくそくする」

勇者「じゃあママが困ってたらちゃんと手伝えるか?」

勇者「お皿洗いとか掃除とか洗濯とか…」

少年「う、うん…頑張るよ…」

勇者「絶対だぞ?」

少年「うん!ぜったい!」

勇者「ははは、よく言った」

女「あなたったら…」

勇者「ほら、俺がいなくなっても心強い勇者がいるじゃないか」

少年「うん!」

女「小さな勇者さんね」

女「…あなたと一緒に過ごせた日々は短かったけど」

女「それでも幸せだったわ」

勇者「あぁ…俺もだ」

少年「ぼくも!」

勇者「ありがとう」

女「私のセリフよ」

勇者「…」

女「…」

勇者「…ゆっくり待ってるよ」

女「えぇ」

-----
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125 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:35:58_54 ID:Bt0CpOKS

ーday 9-

勇者「ふぁ〜あ…」

勇者「静かな朝だな…」

勇者「…!」

勇者「魔女!」ガタッ

勇者(キッチンにいない…)

勇者「…」

勇者「こっちの扉、入ったことないけど…」

勇者「…」ガチャッ

勇者「開いた…」

勇者「ここはリビングか?」

勇者「こっちにも扉があるな」ガチャ

勇者「…意外と部屋数多いな」

勇者「ここか?」ガチャ
126 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:36:14_39 ID:Bt0CpOKS

-----

魔女「…あら」

勇者「魔女!」

勇者「大丈夫か?」

魔女「えぇ、大丈夫よ」

魔女「ただちょっと、体動かすのもしんどいくらいよ」

勇者「そうか…」

勇者「でもフードを深くかぶってどうしたんだ?」

魔女「…あんまり見られたくないの」

勇者「そうか、体調は大丈夫なんだな?」

魔女「えぇ」

勇者「よかった」

魔女「何がよかったのよ」

勇者「なんだっていいだろ」

勇者「とにかく、何か食べるか?」

魔女「そうねぇ…勇者に任せるわ」

勇者「よし、少し待っとけ」ダッ

魔女「ふぅ…流石にここまでガタがくるとはね」
127 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:36:31_65 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「ほら、おかゆだ」

魔女「ありがと」

勇者「食べさせてやるから口開けろ」

魔女「ふふ、それくらい自分で食べれるわよ」

魔女「よいしょっと」

勇者「はは、よいしょって」

勇者「少し前の魔女じゃ言わなさそうだ」

魔女「もう!あなたも年を取ればわかるわよ!」

勇者「あと100年くらい生きたらか?」

魔女「あなたにそんなに長生きができるのかしらね」

勇者「当然だ」

勇者「なんて言ったって、魔王の呪いから解き放たれるんだからな」

魔女「ふふ、そうね」

魔女「あなたには長生きしてほしいわ」

勇者「よし、冷めないうちに食べるぞ」
128 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:36:47_77 ID:Bt0CpOKS

-----

勇者「そういえば、初めてこの部屋に来れたが…」

魔女「もう結界も張ってないのよ」

勇者「そうなのか?」

魔女「少しでも長くあなたと話したいから」

勇者「…じゃあ話そう」

魔女「まぁ、どうせ話すのは私でしょ」

勇者「じゃあ俺の冒険の話でも聞くか?」

魔女「あ、それすっごい興味あるかも」

勇者「どこから聞きたい?」

魔女「そうね…冒険の始まりから聞きたいわ」

勇者「あれは今から…」
129 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:37:28_70 ID:Bt0CpOKS


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-----

魔法使い「…」

戦士「…なぁ」

僧侶「なに?」

戦士「まさかこんなに早いとはな」

僧侶「そうだね」

僧侶「あんなバカだったくせに」

魔法使い「バカでもいなくなる時はいなくなるのね」

戦士「はぁ…これからは俺たちが守らないとな」

僧侶「…あんたってたまに真面目だよね」

戦士「俺はいつだって真面目さ」

魔法使い「ほんとうに?」

戦士「…だいたいは真面目だ!」

僧侶「あはは、まぁでも戦士の言う通りだね」

魔法使い「勇者はいなくなったけど、これからは私たちが守らないと」

戦士「あぁ、俺は後世に剣技を残す」

僧侶「私は治癒魔法の発展だねぇ」

魔法使い「私は…」

魔法使い「私は勇者の子孫をずっと守るわ」

僧侶「!?」

僧侶「それってつまり…」

魔法使い「えぇ、魔女として生きていく」

僧侶「前に少し話は聞いていたけど…」

僧侶「そこまでの覚悟をしていたんだね」

戦士「え、どういうことだ?」

僧侶「魔法使いはね、これから魔女として何十年、何百年と生きていこうって言ってるの」

戦士「そうなのか!?」
130 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:37:53_23 ID:Bt0CpOKS

戦士「でもどうして?」

魔法使い「私が研究して見つけた、魔王の呪いを遅延させ発症を抑える方法は、私にしかできない」

僧侶「誰かに引き継いでいくことは?」

魔法使い「不可能じゃないけど、かなり難しいでしょうね」

魔法使い「それにこんな大事なこと、人に譲れるわけないでしょ」

戦士「そういうことなら、俺も一緒に魔女にしてくれ!」

戦士「魔女って言葉はおかしい気がするが」

僧侶「あんたは魔力低いんだし無駄でしょ」

僧侶「そういうことなら私を一緒に連れていってよ」

魔法使い「ううん、私1人で大丈夫」

魔法使い「私がしたいだけだから」

魔法使い「2人ともありがとう」

僧侶「そっか…」

魔法使い「それに、2人ともやらないといけないことがたくさんあるでしょ!」

魔法使い「あなた達を待ってる人がいる」

魔法使い「私は裏から、あなた達は表から世界を救いましょう?」

戦士「魔法使い…」

僧侶「うん、わかった」

僧侶「その代わり、たまに遊びに行ってもいいかな?」

魔法使い「そりゃもちろん!2人は大歓迎よ」

戦士「ははは、じゃあ暇しない程度に遊びに行ってやるよ」

魔法使い「ありがとう」

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131 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:38:13_39 ID:Bt0CpOKS

魔女「…ぁ」

勇者「…魔女!」

魔女「ふぁあ…少し…寝てたみたい」

勇者「…死んだのかと思ったぞ」

魔女「ふふ、心配してくれてありがとう」
132 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:38:40_38 ID:Bt0CpOKS

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魔女「…あなた、リングのネックレスつけてるよね」

勇者「あぁ、これだろ?」

勇者「母から貰ったものだ」

魔女「そう」

魔女「手を出して?」

勇者「ん?」

魔女「これ…あなたにあげる」

勇者「これって…俺のリングと同じものじゃないか!」

魔女「ふふふ…あなたが付けてるリング、私が作ったんだもの」

勇者「どういうことだ?」

魔女「もともとは…私が昔の勇者のために作ったの…」

魔女「そのリングは魔族の力に反応する」

魔女「そしてペアとなっているリングに信号を送るの」

勇者「それを魔女が持っているってことは…」

魔女「ふふふ…そう」

魔女「そうやって…勇者の家系を見守っていたの」

勇者「魔女…」

魔女「あ…変な意味じゃないからね…」

魔女「もし魔族の力が発現したら、私の力で抑えるためよ」

魔女「勘違いしないでね」

勇者「わかってるよ」

勇者「じゃあもし、今魔王が復活していなくても、俺は魔女に会えていたのか」

魔女「そういうことになるわね」

勇者「魔女と出会うことは必然だったんだな」

魔女「運命だと思った?」

勇者「そういうわけじゃないけど」

魔女「…私はあなたと出会えたことに、運命を感じたわ」

勇者「どうしてだ?」

魔女「あなたがこの森に来て私に捕まったのは偶然よ」

魔女「…まさかそれが本当に勇者の子孫だなんてね」
133 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:38:58_11 ID:Bt0CpOKS

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勇者「…なぁ、フードとっていいか?」

魔女「…いいわよ」

魔女「どうせ…もう抵抗する力もないし」

勇者「ありがとう」スッ

勇者「はは、ほんとうにお婆さんになってる」

魔女「…まぁね」

勇者「初めて会った時は、なんだこの女って思ったがな」

勇者「美人で妖艶で…」

勇者「だけど、どこか気に入らなかった」

魔女「ひどい…」

勇者「ははは、俺を鎖で縛ってた魔女のせいだろー」

勇者「あと変なキャラ作りだな」

勇者「でも今は全然そんなことない」

勇者「知的で思いやりのある素敵な女性だ」

魔女「なによそれ」

勇者「魔女はもう魔女じゃない」

勇者「いや、もともと魔女なんかじゃないさ」

勇者「誰よりも人間だ」

魔女「…」

勇者「他人のためにここまで頑張れる人には初めて出会ったよ」

勇者「魔女、今までありがとう」

魔女「…」

勇者「…俺からだけじゃない」

勇者「今までの俺の先祖の分も含めてだ」

勇者「代表して感謝する」

魔女「…」

勇者「…ありがとう」

魔女「…うん」
134 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:39:34_42 ID:Bt0CpOKS

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魔女「…ねぇ」

勇者「なんだ?」

魔女「ずっと…言いたかったことがあるの」

勇者「聞くぞ」

魔女「…私ね」

勇者「うん」

魔女「本当は148歳なの」

魔女「まだ150超えてないから…」

勇者「…なんだよそれ」

魔女「…ちゃんと知ってて欲しかったの」

勇者「…しっかり覚えておくよ」

魔女「…」

勇者「…」

勇者「さて、また冒険の続きから話そうかな」

勇者「えぇっと…」

魔女「…」

勇者「そう、あの街で、戦士と僧侶が…」

魔女「…」

勇者「で、俺も言ったんだよ」

魔女「…」

勇者「…あいつら…さ」

魔女「…」

勇者「ほんと……な」

魔女「…」

勇者「…!……!」

魔女(…)

魔女(ありがと…)
135 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:40:04_36 ID:Bt0CpOKS

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勇者「それで、この森に入ってきて…」

勇者「…」

勇者「…ふぅ」

勇者「…」

勇者「…ありがとう」

勇者「…」

勇者「…」

ガタガタッ

勇者「?」

バタンッ

勇者「!?」

戦士「勇者!」

勇者「っ…、戦士か」

戦士「おう戦士だ!」

戦士「勇者大丈夫か?」

勇者「あぁ、大丈夫だ」

戦士「ところでその老婆は…」

魔法使い「勇者さん!」

僧侶「やっと見つけた!」

勇者「…みんな!」

僧侶「魔女は?」

勇者「心配しなくて大丈夫だ」

僧侶「そう…」
136 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:40:20_53 ID:Bt0CpOKS

僧侶「まったく!なに捕まってるのさ!」

魔法使い「ほんと、心配したんですよぉ」

僧侶「魔法使いなんて泣いちゃうし」

戦士「それを言ったら僧侶もすっげぇ凹んでただろ」

僧侶「それはそうだけど!」

僧侶「とにかく!何があったか説明してくれる?」

勇者「もちろんだ」

勇者「…その前に、どうしてここがわかったんだ?」

魔法使い「それは、今朝になると私たちの前に木偶人形が現れまして…」

僧侶「それで、戦士が付いて行こうぜって言い出して追いかけてたら」

戦士「ここについたってわけだ」

勇者「…その人形はどうしたんだ?」

戦士「ここについた途端、倒れちまった」

勇者「そうか…」

勇者「とりあえず、この老婆の墓を作ってやりたい」

勇者「手伝ってくれるか?」

戦士「あぁ」

勇者「話はそのついでにするよ」
137 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:40:50_19 ID:Bt0CpOKS

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戦士「こんなもんで上出来だろ」

勇者「うん、みんなありがとうな」

僧侶「にしても、まさかそのお婆さんが魔女さんだとはね」

戦士「あんなに美人だったのに」

魔法使い「152年も生きていたんですし、お婆さんにもなりますよ」

勇者「正確には148年だな」

僧侶「…148年ねぇ」

勇者「よし」

勇者「とりあえず、俺は監禁されたとはいえ、この魔女には世話になった」

勇者「だからみんなも、彼女を恨むような気持ちは持たないでやってほしい」

戦士「今の話を聞いて恨むほうが難しいぞ。な?」

僧侶「そうだね」

魔法使い「はい」

僧侶「…とはいえ、勇者を連れ去ったのは許しがたいことだ」

魔法使い「そうですね」

勇者「え?」

戦士「いや実は、そこの木偶人形が倒れる時に手紙を置いていってさ」

戦士「勇者を連れ去ったことの謝罪が書かれていて、必要であれば自分の研究を好きなだけ使って欲しいって」

戦士「その代わり、自分のわがままを許してくれってさ」

勇者「そうなのか…」

魔法使い「そういうわけなので、たくさん研究を覗き見ちゃいます」

僧侶「私も、魔王の呪いに対抗する魔法となると気になるしね」

戦士「…と、まぁこれで魔女さんを恨む人は1人もいなくなるってわけだ」

勇者「はは、なんだよそれ」

魔法使い「私たちが魔女さんの研究を世の中に役立てないとですね」

僧侶「これまた重責を負ってしまったよ誰かさんのせいで」

勇者「魔女に感謝しないとだな」
138 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:41:09_04 ID:Bt0CpOKS

勇者「…でも今は冒険に関係あるものだけにしろよ?」

魔法使い「もちろんです!残りはここに保管して、魔王を倒してから…ですね!」

僧侶「さて…どちらにしても少し時間はかかるかも」

勇者「じゃあしばらくここに滞在するか」

勇者「幸い、家のそばには作物がなった畑もあるし、倉庫には色々物もあるし!」

勇者「この畑の野菜は美味いぞ」

勇者「それに倉庫にはチェスとかもあるし、戦士も暇だったらするか?」

勇者「…でもその前に、日課の鍛錬でもするか!」

僧侶「っと、その前に」

僧侶「私たちに何か言うことはないのかな?」

勇者「え〜っと…俺が森を通ろうとしたばっかりに、捕まってしまってすみませんでした…」

戦士「謝罪だけか?」

勇者「えー…わざわざ探していただき感謝しております」

魔法使い「それでどうするんですか?」

勇者「…魔王を絶対倒す!」

僧侶「最後雑だねぇ」

戦士「それが勇者らしいというかなんというか」

魔法使い「ふふ、そうですね」

勇者「よし!そういうわけで、さっさと始めるぞ」
139 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/25 13:41:21_68 ID:Bt0CpOKS

勇者(魔女、ありがとうな)

勇者(後は俺に任せて、勇者の隣で安らかに眠っていてくれ)

-end-
140(1) 名前:バブルスライム 投稿日:2018/12/25 13:42:47_53 ID:Bt0CpOKS
くぅ疲
途中にレスくれた人はありがとう!
読んでくれた人がいるかはわかんないけど、ちゃんと完結させることができて俺は満足だ
141(1) 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2018/12/25 14:38:56_91 ID:HXelYnjS
>>140
142 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/26 00:24:17_85 ID:UQjIcOiS
>>141
ありがとうございます
143(1) 名前:.彡⌒ミ 投稿日:2018/12/27 21:48:34_40 ID:Wcp/BQHS
おっつー
リモコンでssを読めるとは
144 名前:バブルスライム[sage] 投稿日:2018/12/29 03:06:29_41 ID:kXDZ1sMS
>>143
ありがとうございます
拙いSSで申し訳ないです
145 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2019/01/01 22:30:38_75 ID:bFSS1x9S
魔女が可愛かった
最後まで書いてくれてありがと